2015年8月21日金曜日

レッドカーペット

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




(ショートバージョン)
アダルト映画のヒットメーカー、ジョンウは、いつか普通の娯楽映画の監督をしたいと夢見て脚本を書いている。ひょんなことから、かつて国民的子役スターだったウンスとルームシェアすることになったジョンウだが、ウンスはジョンウがアダルト映画の監督とは知らず、彼の脚本を読んで女優としての再起を誓うのだった。だが、ある誤解からウンスはジョンウの元を去ってしまう。1年後、2人は再会するが…。

R指定(アダルト)映画専門の監督と元人気子役から再ブレイクしたトップ女優の恋を描いた「レッドカーペット」は、アダルト映画界という特殊な世界を背景とするが、中身は韓国映画お得意のロマンチック・ラブストーリー。物語は、惹かれ合う男女が誤解から別れ、再び愛し合うという手垢がついたものだし、トップ女優が無断で自主映画に出るなどディテールには無理がある。だが、この映画が何とも憎めないのは、物語の節々に映画愛が詰まっているからだ。名作映画の題名をパロディ化したアダルト映画のタイトルを見ただけでも映画好きなら嬉しくなってしまうはず。アダルト映画界を舞台した映画では、米映画「ブギーナイツ」や香港映画「色情男女」があるが、本作はどこまでも楽観的なのが好ましい。それでも「映画人に貴賤はない。自分の職業を恥じたことはない」ときっぱり言う主人公に思わず拍手したくなった。日本でも実はピンク映画(この呼び方も何だか懐かしい響きだ)は名監督の原点であることが多く、「Shall we ダンス?」の周防正行監督や「おくりびと」でオスカーを手にした滝田洋二郎監督も成人映画出身で「ピンク映画が原点です」と高らかに宣言している。ちなみにこの映画、人気アイドルグループ2PMのチャンソンの本格的スクリーン・デビュー作。黒縁メガネのルックスや、思わず苦笑するシーンも含めて、ファンは必見だろう。
【60点】
(原題「RED CARPET」)
(韓国/パク・ボムス監督/ユン・ゲサン、チャンソン(2PM)、コ・ジュニ、他)
(映画愛度:★★★★☆)
チケットぴあ

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