2015年9月17日木曜日

ピエロがお前を嘲笑う

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




(ショートバージョン)
世間を震撼させるハッキング事件を次々と起こし、ハッカー集団CLAYを結成した天才ハッカー、ベンヤミンが警察に出頭していくる。彼が言うには、CLAYが盗んだ情報によって殺人事件を引き起こしてしまい、今度は自分が命を狙われているというのだ。担当したインターポールの捜査官はベンヤミンの自白を基に捜査を開始するが、彼の証言は事実と食い違っていて疑念を持ち始める…。

予想を裏切る大どんでん返しが用意されている映画を“マインドファック・ムービー”と呼ぶが、天才ハッカーが引き起こしたサイバー・テロと彼が巻き込まれた殺人事件の真相を描くドイツ映画「ピエロがお前を嘲笑う」はまさにそれだ。主人公ベンヤミンがハッカーとして世間を騒がせることで覚醒する姿、ぶっ飛んだ仲間たちを得てドキドキしながらも変化していく過程、ヴァーチャルなアンダーグラウンドの怪しげな空間の中で大胆に振る舞う行動。ストーリーの謎解きとは別にして、本作は目立たない地味な青年だったベンヤミンがアイデンティティーを追求する物語ととらえることができる。ハッキングの世界はインターネット環境が整った現代でも一般人には理解不可解な世界。だが難しいことは別にして、映画は、細かいカット割りとスピーディな音楽で観客をグイグイ引っ張っていく。終盤のどんでん返しでは、誰もが心地よく騙されるはず。ベルリンの街を駆け抜けるこのマインドファック・ムービー、早々とハリウッド・リメイク決定している。「コーヒーをめぐる冒険」のトム・シリングの好演が魅力だ。
【70点】
(原題「WHO AM I - NO SYSTEM IS SAFE」)
(ドイツ/バラン・ボー・オダー監督/トム・シリング、エリアス・ムバレク、ヴォータン・ヴィルケ・メーリング、他)
(伏線度:★★★★☆)
チケットぴあ

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