2015年10月18日日曜日

アデライン、100年目の恋

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


Age of Adaline
事故に遭い落雷によって老化が止まってしまったアデラインは、29歳のままずっと孤独に生きてきた。現代のサンフランシスコで、ジェニーと名前を変えて市立資料館に勤務し、老犬と共に隠れるように暮らす彼女だったが、年越しパーティーで出会った青年エリスと恋に落ちる。エリスの両親に紹介されると初対面のはずの彼の父ウィリアムが驚いて「アデライン」と呼びかける。ウィリアムとアデラインはかつて真剣に愛し合った恋人同士だった…。

不老不死になってしまった女性の数奇な運命を描くラブ・ストーリー「アデライン、100年目の恋」は、大ヒットTVシリーズの「ゴシップガール」で人気スターになったブレイク・ライヴリーが主人公を演じる。この人は、映画ではいまひとつパッとしなかったのだが、本作では実に優雅なたたずまいで不思議な運命を生きる主人公を演じていて好感度が高い。不老不死といっても生まれつきではなく、低体温症により心臓が止まったその瞬間に車に雷が落ちて蘇生、電磁圧縮作用で老化が止まるという、なんとなく納得してしまう理由がついている。科学的検証はさておき、そんな運命になってしまってはフツーの生活を到底ムリだ。世間や記録から逃れるように生きるアデラインは、時に国家から追われたりもしながら、20世紀を駆け抜ける。これがさりげなく、フェミニズムの歴史にもなっているのは、なかなか上手い演出だが、何しろあまりに美しいアデラインを世間がほっておいてはくれないのだ。真実の愛に巡りあった彼女がどういう運命を受け入れるかは映画を見てもらうとして、ブレイク・ライブラリーが着こなす、1900年代から現代までのトップファッションが美しく、映画の大きな見どころになっている。美しさと品格があるので、“あり得ない”系ファンタジー・ロマンスも、いつのまにかクラシックな恋愛物語の雰囲気を漂わせ、見入ってしまった。
【60点】
(原題「THE AGE OF ADALINE」)
(アメリカ/リー・トランド・クリーガー監督/ブレイク・ライヴリー、マイケル・ユイスマン、ハリソン・フォード、他)
(クラシック度:★★★★☆)
チケットぴあ

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