source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
17世紀フランス。国王のルイ14世は国の栄華を象徴するヴェルサイユ宮殿の庭園の増改築を計画する。庭園建築家アンドレ・ル・ノートルは、何人かの庭師を面接するが、稀有な才能を持つ女性庭師サビーヌに、野外舞踏場“舞踏の間”を任せる。秩序を重んじるル・ノートルと、自由な発想で仕事に臨むサビーヌは、ことあるごとに対立するが、互いの才能を認め合い次第に惹かれ合っていく…。
個性派俳優であるアラン・リックマンが監督を務める歴史ドラマ「ヴェルサイユの宮廷庭師」は、ロマンスが中心ではあるが、実は男社会でがんばる女子応援ムービーだ。ヒロインのサビーヌは架空の人物で、事故で夫と娘を亡くして以来、孤独に生きている。彼女の作る庭は自由奔放。一方、不幸な結婚生活にしばられる宮廷庭師でル・ノートルは実在の人物で、秩序とルールを重んじる仕事ぶり。正反対の二人が惹かれ合うのはラブストーリーのテッパンで、虚実が混じり合うことでストーリーに深みが増している。監督であるリックマンも国王役で出演していて、サビーヌと梨園で語り合う場面は、傷ついた者同士のいたわりを感じる味わい深いシーンだ。歴史ものなので華麗な衣装も登場するが、サビーヌの仕事はほとんど土木作業。泥だらけ、汗だくになりながらもスカートにコルセット姿なのだから、恐れ入った。ドスコイ体形のケイト・ウィンスレットなら、土木だってきっとやれる!と妙に納得。ともあれ、男社会、貴族社会の中で、毅然と生きる庶民の女性の姿に、心を奪われた。
個性派俳優であるアラン・リックマンが監督を務める歴史ドラマ「ヴェルサイユの宮廷庭師」は、ロマンスが中心ではあるが、実は男社会でがんばる女子応援ムービーだ。ヒロインのサビーヌは架空の人物で、事故で夫と娘を亡くして以来、孤独に生きている。彼女の作る庭は自由奔放。一方、不幸な結婚生活にしばられる宮廷庭師でル・ノートルは実在の人物で、秩序とルールを重んじる仕事ぶり。正反対の二人が惹かれ合うのはラブストーリーのテッパンで、虚実が混じり合うことでストーリーに深みが増している。監督であるリックマンも国王役で出演していて、サビーヌと梨園で語り合う場面は、傷ついた者同士のいたわりを感じる味わい深いシーンだ。歴史ものなので華麗な衣装も登場するが、サビーヌの仕事はほとんど土木作業。泥だらけ、汗だくになりながらもスカートにコルセット姿なのだから、恐れ入った。ドスコイ体形のケイト・ウィンスレットなら、土木だってきっとやれる!と妙に納得。ともあれ、男社会、貴族社会の中で、毅然と生きる庶民の女性の姿に、心を奪われた。
【60点】
(原題「A LITTLE CHAOS」)
(イギリス/アラン・リックマン監督/ケイト・ウィンスレット、マティアス・スーナールツ、アラン・リックマン、他)