2015年10月27日火曜日

ボクは坊さん。

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


小説版 ボクは坊さん。 (集英社文庫)
24歳の白方光円は、住職だった祖父が他界したのをきっかけに、突如、書店員から、四国八十八ヶ所霊場、第57番札所・栄福寺の住職になる。この寺で生まれ育ったものの“坊さんワールド”は想像以上に奥深いものだった。とまどうことも多い日々だったが、幼馴染の真治や京子、お坊さん大学の同級生らに励まされながら、現代の暮らしにも仏の教えは役立つはずと、さまざまなアイデアを出していく。だがある日、結婚した京子がお産の最中に意識不明のままになるという事態が発生し、光円は、住職として、自分に何ができるのかと思い悩む…。

24歳にしてお寺の住職になった青年の奮闘を描く「ボクは坊さん。」の原作は、実在の住職・白川密成氏の実体験で、コピーライターの糸井重里さんが主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されたエッセイ。主人公がお坊さんという極めてユニークな職業なだけに、お寺や住職の仕事、お坊さんアイテムのグッズなど、豆知識やトリビアがとにかく面白い。戒名用のプリンターにお坊さん専用のバリカンなど、思わず「!」のグッズに目がテンだ。さらに住職の仕事のハウツーも描かれていて、ちょっとした仏教入門の趣もある。なんでも世間はプチ坊さんブームだそうで、お遍路さんも若い女性に人気だとか。それはさておき、この物語は24歳で住職という大役を担うことになった青年の成長物語で、仕事に悩むという視点から見ると、共感できる部分も多い“職業映画”だ。植物状態になってしまった幼馴染と彼女が生んだ赤ん坊のことで、人として、地域社会のリーダーでもある住職として、自分にいったい何かできるのかを思い悩む光円。そのことは引いては生と死をみつめることにつながっていくのだ。伊藤淳史が新米住職を好演。また初めて映画撮影が許可された高野山・奥の院や、四国の美しい風景がもうひとつの主役になっている。
【60点】
(原題「ボクは坊さん。」)
(日本/真壁幸紀監督/伊藤淳史、山本美月、溝端淳平、他)
(思考錯誤度:★★★★☆)
チケットぴあ

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ボクは坊さん。@ぴあ映画生活