2016年12月16日金曜日

【関連動画】『博士の異常な愛情』のロビースポット

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック




 映画館での宣伝素材として日本ではチラシが一般的ですが、海外では映画のワンシーンや宣材写真を印刷した「ロビーカード」呼ばれるカードで映画館のロビーを飾るというのが一般的だったそうです。そしてこのロビースポットとは、その映画館のロビーで流された宣伝用音声の事だそうです。

 映画が文化として根ざしているアメリカらしい宣伝方法ですが、録音媒体がテープではなくレコードというのがいかにも当時らしいですね。時代は1960年代前半。カセットテープが普及するのが60年代後半ですので、広いアメリカ大陸の隅々まで宣伝を行き渡らせるにはレコードが一番適していたんでしょう。

 以前ここでご紹介したレア曲『Dr. Strangelove and the Fallouts: Love That Bomb』もそういった一連のプロモーションツールとして使用されたのでしょう。こういった音源とキューブリックから支給された本編映像を使ってパブロ・フェロが予告編を制作した経緯が想像できます。なんでもかんでも管理したがるキューブリックの事ですから、こういったプロモーションツールの数々は全て自身の監督下で制作されたと考えるのが自然です。編集やサウンドトラックなどのプリ・プロダクションも同時進行でしょうから、自らが撒いた種とはいえ、ものすごい作業量ですね。