source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
時計じかけのオレンジ [Blu-ray]
1972年に日本公開されたスタンリー・キューブリック監督の名作『時計じかけのオレンジ』。衝撃的な暴力描写で知られる本作の魅力を徹底解説します!
〈以下略〉
(全文はリンク先へ:ciatr/2017年7月6日)
この『ciatr』は「映画系キュレーションサイト」だと思われますが、もうね、肝心な部分で記事の内容が間違っていると、このサイト全体の信頼性に関わりますけどよろしんでしょうか?
病院で目を覚ましたアレックスは元の人格に戻っていました。ルドヴィコ療法の問題点が発覚し失脚を恐れた内務大臣は、アレックスに元の人格に戻ったように振る舞うよう頼みます。アレックスは大音量の第九番を聴き、邪悪な笑みを浮かべたのでした。
説明するのもバカらしいですが、「元の人格に戻った」のではなく「元の人格に戻した」ですね。「元の人格に戻ったように振る舞うよう頼みます」ではなく「元の人格に戻したアレックスに政府の広告塔になるように頼みます」です。政府が有名人になったアレックスの洗脳を解き、その上で支持率の落ちた政府の人気回復の広告塔として利用しようとする意図を汲み取ったアレックスが、それを快諾するという最悪(物語が始まった時点よりも状況は悪くなっている)でブラックなオチです。この重要なオチを理解せず、堂々と【ネタバレ】と小見出しに掲げる神経はどこからくるんでしょう?
キュレーションサイトの記事には「映画を観ないでwiki観て書きました」的なものも散見されます。まあ、記事の内容なんてどうでもよく、アクセス数が稼げればいいと考える連中がやっていることなので「そんなもの」として流し読みするか、無視するかでいいと思いますが、ここでこうして訂正記事を書くことで採り上げてしまうと、連中のアクセス稼ぎに加担してしまうことにもなるので、その点はちょっと複雑ですね。