source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
アイズ ワイド シャット [Blu-ray]
Nicole Kidman On ‘Big Little Lies’, Kubrick And Taking Chances: “I Don’t Approach Things From That Safe Place”
〈以下略〉
(全文はリンク先へ:DEADLINE HOLLYWOOD/2017年8月16日)
ニコール・キッドマンのインタビュー記事がありましたのでご紹介。この『ビッグ・リトル・ライズ』とは、キッドマンが主役の一人を演じるTVドラマのタイトルです。ざっとGoogle翻訳を通して読むと、14歳の時にキューブリックの『時計じかけのオレンジ』を授業で観て衝撃を受けたことが語られていますが、『アイズ…』については
彼女がキューブリックと『アイズ ワイド シャット』を作ったとき、キッドマンとクルーズはイギリスで2年間過ごしました。「6ヶ月間はリハーサルだけだった」と彼女は回想します。彼女はその頃を振り返り、「神に感謝します。私は結婚していて、そこには私の子供たちもいました。それはやり遂げようと急ぐようなものではありませんでした。私はスタンリーと共にそこにいて、私は何も気にしていませんでした」
キッドマンは、キューブリックは誤解されていると感じています。彼のことを知っている人々が彼について語るとき、キューブリック作品の批評家とは全く異なることを言います。彼女は同意します。「スタンリーはいたずらっ子でした。挑発的で、面白い人です。彼は素晴らしいウィットを持っていました。彼は哲学者でしたが、説教はしませんでした。それは常に好奇心と疑問の探究から来ていたものでした。」
とコメントしています。
とてもキッドマンらしい、余裕のあるコメントです。常にキューブリックの強いプレッシャーに晒され続けたクルーズとは違い、キューブリックはキッドマンに対等な立場での「シーンの探求」を求めました。それはこのインタビューからも明らかです。キッドマンはキューブリックの真意を理解し、それに全面的に協力しました。しかし、役者全員がそうだったわけではなく、中には随分と腹を立てた人もいたようです。そういった役者が評論家に否定的な意見を言い、それを記事にすれば「批評家とは全く異なることを言います」となるわけです。権威ある(知名度のある)評論家の意見は常に正しい、というのは幻想に過ぎません。私たちファンが持つ「キューブリック像」はそれぞれ微妙に違っていると思いますが、それは「評論家の評論ソース」ではなく「キューブリック本人もしくは関係者ソース」に基づいていなければなりません。当ブログはそれを提供する場でもあります(それに基づく管理人の私見の発表の場でもありますが。笑)。「評論家の評論ソース」はその評論家のバイアスがかかっているという前提のもと、参考程度にしておくべきでしょう。
ところで最近、キッドマンがキューブリックの秘密を暴露しただのなんだのという明らかな「嘘記事」がリツイートされていました。「アメリカ政府はUFOと宇宙人を秘匿している!」並みにレベルの低い記事ですが、真に受ける人もままいるようです。アクセス稼ぎが目的であるのは明白ですので、そんな連中の「エサ」になりたくないのなら延髄反射するのではなく、なぜこんな記事が書かれるのか、書いた連中の真意は何か、もっと「探求」するクセをつけておくべきですね。