source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
キューブリックはこれとおなじことを『2001年…』では垂直で行いましたが、NASAは水平で実験していました。映像は水平に回転する遠心機を俯瞰(真上)から撮影したものです。最初は1分間に4回転のスピードで0.1G、次は1分間に9回転のスピードで0.5Gの人工重力(遠心力)を発生させ、どの程度人間が歩けるかを検証しています。
映像を見る限り0.1Gではちょっとおぼつかないですが、0.5Gでは体が落ちずに床に足がしっかりくっつき、歩きやすそうに感じます。『2001年…』の小説版によるとディスカバリー号は「10秒に1回転で月とほぼ同じ重力」とあるので、この映像の表記に合わせると1分間に6回転で1.65Gとなります。0Gでの映像もありますが、体のコントロールは全く不可能です。まあこれは当然でしょう。
しかし、こんな巨大な金属の塊がブンブンと宇宙船の船内で1分間に6回転もしているというのは、ちょっと現実離れしているような気もします。『2010年』に登場したレオノフ号のように、遠心機は船外にある方が現実的ですね。もしくは船体全体が回転するとか。そのレオノフ号船長は「危険な風車」と嫌がってましたが、その意味がこの映像を見るとはっきりとわかりますね。