source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
1973年に旧ソ連が制作したSF映画『モスクワ-カシオペア』に『2001年宇宙の旅』の影響が見て取れるのでご紹介。
旧ソ連の指導部から「宇宙開発のパイオニアたる我が指導部の名にかけて、米帝のSF映画なんぞに負けてたまるか」という大号令が下った・・・かどうかは知りませんが(笑、映像を観る限りなかなか予算のかかった本格SF映画のようです。当時のソ連の子供達はこれを観て熱狂したそうなので、『2001年…』の存在を知らない(公開されていない)とはいえ、プロパガンダ的には成功したんでしょう。
六角形の通路やHALの目らしき物体が埋め込まれたコンソール、赤い文字が点滅するアラート表現など、ツッコミどころは満載ですが、無重力の表現にはなかなかリアリティがありますね。あらすじは
遠い宇宙から怪しげな電波が来たので、なんとか現地に到達する計画をソヴィエト政府が画策します。おりしも、亜光速エンジンが開発された関係で、航海中の老齢化を考慮のうえ、十代の子供たちが搭乗することになります。ひとりだけ困ったちゃんが乗り込んでおり、そのバカの誤操作で、宇宙船は超光速推進に移行。その先の旅を続けるか否かの疑問に一同Goサインというところで終わります。この映画の続きは宇宙の十代に描かれています。
(引用元:それ行けB级映画集 GoGo B Movies!『モスクワ-カシオペア Moscow-Cassiopeia Москва – Кассиопея 1973』)
とのことですが、この映画の成功に気を良くしたのか、ソ連指導部は翌年の1974年に続編の『宇宙の十代 (Отроки во вселенной)』を制作、公開したそうです。
以前、キューブリックも『2001年…』制作の参考に観たという、同じくソ連謹製のトンデモSF映画『火を噴く惑星』をご紹介しましたが、この『モスクワ-カシオペア』『宇宙の十代』は日本でDVD化されていません。現在では一周回ってカルト的な人気を博しているそうなので、映画輸入販売会社のみなさまは、公開もしくは円盤化をご検討してみてはいかがでしょうか。