source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
──あなたは『現金に体を張れ』に出演しておられましたね?
スタンリー・キューブリックの! まったく素晴らしい映画だ。
──誰を演じられましたか?
私はマリー・ウィンザーの夫を演じた。競馬の係のね。いい映画だった。スタンリーの最初の映画だ。ニューヨークで短編を3000ドルで作ってから(※『非情の罠』のこと)、こっちに来て監督した映画だ。いい映画、素晴らしい監督だ。後の作品を見てもわかるだろう? 良い監督だ。
──それで、その映画で何をされていましたか?
どういう意味だ? ショットガンで撃たれる役さ。覚えてないのか? 私の顔がめちゃくちゃになる・・・。
──どうやってそのシーンを撮ったんですか?
メイクアップの男が良い仕事をしてくれた、本当に。素晴らしい男だった。BB弾を私の顔に貼り付けたんだ。それから私は妻を撃って殺して死ぬ。スターリングは恋人と一緒に逃げる。彼は素晴らしい俳優だった。昔落下傘兵をしていたんだ、知ってたかい? オリジナルのエンディングでは彼はFBIに蜂の巣にされて倒れて死ぬ予定だったんだ。だが彼は落下傘兵の仕事で背中を痛めていたからできなかった。だからエンディングを変えたんだ。覚えてるかい? 犬が出て来て、札束が舞い散るエンディングになったんだ。良いファミリー、良い男だった。キューブリックは私に『ロリータ』のためにイギリスに来て欲しかったんだが、イギリス側はスターを欲していた。私のような個性派俳優は望まれていなかったんだ。
このインタビュアーは『現金…』を観ずにこのインタビューをしたんでしょうか。終始話が噛み合わす、ちょっとじれったいですね。とはいえ、『現金…』のオリジナルエンディングの話は貴重です。当初は完全なバットエンドだったんですね。『ロリータ』のキャスティングの話も出てきますが、これはハンバート役でしょうか? キルティ役でしょうか? どちらもあり得る話ですが、エリシャならハンバートのような気がします。
翻訳協力:Shinさま