2015年2月3日火曜日

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source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック




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※ネガを見るとこの蝶ネクタイに花束の男は衣装をかえて度々登場していているので、仕込みだったことが分かる。



 高校を卒業した翌年の1946年、まだ普通の写真好き青年だったキューブリックが、スチルカメラでニューヨーク地下鉄を撮影したモノクロ写真シリーズ。現在は世界的な映画監督として知られるスタンリー・キューブリックが残した青年時代のとても貴重な作品です。



(以下リンク先へ:ディリィ・ニュウス・エィジェンシィ/2015年2月1日








 ここでチョイスされているのはいいカットばかりですが、ここで他のカットも大量に見る事が出来ます。この『ニューヨーク地下鉄での人生と愛(Life and Love on the New York City Subway)』と題された企画、当時17歳(元記事による)だったキューブリックが真夜中から朝の6時まで、2週間かけニューヨークの地下鉄構内で撮影したもので、その多くは隠し撮りだったそうです。カメラはコンタックスを使用、地下鉄の雰囲気を出したかったので自然光撮影を行い、シャッタースピードは1/8秒、現像には3倍の時間をかけ、手ぶれが起こるのでシャッターは電車が停まっている間しか切れなかったと当時のインタビューで語っています。



 写真はドキュメンタリーのように見えますが、いくつかは仕込みで撮影していて、乗客の間にいる花束を持った男性はヤラセです。座席で抱き合う男女もヤラセ臭いですね。正方形カットでプラットホームで抱き合う男女は、カメラはローライのようです。二人は仕込みのモデルでしょう。



 自然光にこだわる辺りがキューブリックらしいですが、フラッシュを焚かなかったのは隠し撮りをしているのがバレないようにするためもあったのでしょう。でも警備員に見つかってしまい「許可を得ているのか?」と訊ねられ「私はルックの社員だ」と答えています。でも当時まだ十代の若造で童顔のキューブリック、全く信じてもらえなかったみたいです。