2015年2月9日月曜日

ANNIE アニー

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評








名作ミュージカルを現代風にアレンジした「ANNIE アニー」。キャメロン・ディアスの怪演が一番の見どころ。



現代のNY。失踪した両親を待ち続ける孤児のアニーは、事故に遭いそうなところをIT長者でNY市長候補のスタックスに助けられる。スタックスの選挙参謀は、アニーの境遇を知って選挙のイメージアップのために彼女を引き取ることを提案。極度の潔癖症で人付き合いが苦手なスタックスだったが、アニーと奇妙な共同生活を送る中、2人の間に絆が芽生える。だが、ある日、アニーの両親という男女が名乗り出る…。



世界中で人気のブロードウェイ・ミュージカルで、1982年には映画化もされている。今回のリメークは時代を現代にするなど、設定を変え、同時代性をアピールした作りになっている。ネット社会のメディア戦略はいかにも21世紀だし、アニーが負けず嫌いな都会っ子なのも新鮮だ。だがどうにもミュージカルとしての魅力に乏しい。有名なスタンダートナンバー「トゥモロー」が流れれば懐かしさや安定感はあるものの、すべてが軽いノリなのだ。アニーは、大富豪のスタックスが自分を選挙キャンペーンの道具にしようとしているのは百も承知。彼女も自分の両親をみつけるのにスタックスの知名度を利用しようと考える駆け引きがあったりと、けなげというより、したたかでたくましい。とはいえ、スタックスとアニーがやがて心を通わせるのはお約束。ただ彼らは擬似親子というより、戦友のようなのだ。2人が映画館で観る映画には、ミラ・クニスとアシュトン・カッチャーが出演するなど、何気に豪華。何かと不満のこのミュージカルだが、歌やダンスのイメージからはかけ離れたキャメロン・ディアスが、過去の栄光にすがる元シンガーで、孤児たちをコキ使う意地悪な養母を演じていることに注目したい。完全に周囲から浮き上がって異彩を放ち、最も記憶に残るはずだ。

【50点】

(原題「ANNIE」)

(アメリカ/ウィル・グラック監督/ジェイミー・フォックス、クヮヴェンジャネ・ウォレス、キャメロン・ディアス、他)

(現代性度:★★★★☆)

チケットぴあ



にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ ←ランキング参加中です!



人気ブログランキング ←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)



ANNIE/アニー@ぴあ映画生活