2015年2月2日月曜日

ジョーカー・ゲーム

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評








機密文書奪取を命じられたスパイの活躍を描くサスペンス・アクション「ジョーカー・ゲーム」。ラストがあまりに「ルパン」で笑ってしまった。



第二次世界大戦前夜。軍で上官の命に背いて極刑を言い渡された青年は、謎の将校によって命を救われる。秘密組織“D機関”の一員となり“嘉藤”の名で魔の都と呼ばれる都市へと派遣された彼の任務は、世界を揺るがす機密文書「ブラックノート」を奪取すること。各国のスパイが暗躍する中、ブラックノートを持つ米国大使グラハムに接近するが…。



原作は第30回吉川英治文学新人賞などを受賞した柳広司の同名小説。アジアの架空の国際都市を舞台に世界各国のスパイたちがしのぎを削る物語は、リアリティよりも荒唐無稽な面白さを目指したスパイ映画だ。日本ではあまり確立されていないこのジャンルに果敢に挑んだ意気込みが伝わることと、主演の亀梨和也の、意外にもハマッている姿に、思いがけず楽しめる。亀梨和也の、線は細いが、だからこそ有効なキレのあるアクションはなかなかのものだ。もっとも彼だけに焦点を当てて作られているだけに、他キャストの役割はかなりいいかげん。セクシー担当の深田恭子など、何しに出てきているのかわからないし、スパイ仲間の特技やキャラもほとんど説明などないに等しい。大勢登場する外国人キャストも無名俳優ばかりでは寂しすぎる。とはいえ、シンガポールなどで行った大掛かりなロケは、無国籍風な異国情緒を漂わせ、スケールの大きさを感じさせてくれた。真っ白いスーツに身を包む異能のスパイが主人公の原作はシリーズ化されているので、映画ももしや続くかも…とファンに期待させるラストだ。しかし、あの終わり方、あまりにも「ルパン」すぎ!だった。

【60点】

(原題「ジョーカー・ゲーム」)

(日本/入江悠監督/亀梨和也、深田恭子、伊勢谷友介、他)

(アクション度:★★★★☆)

チケットぴあ



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