2015年2月13日金曜日

劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評








ムーミン一家が南仏リビエラで巻き起こす騒動をほのぼのとしたタッチで描く「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」。母国フィンランド発の作品が初めてとは意外。



ムーミン一家は、地中海沿岸の魅惑的なリゾート地・リビエラへとバカンスにやってきた。高級ホテルでは高貴な人々と勘違いされて豪華なもてなしを受け、ワクワクした気分に。だが、ムーミンのガールフレンドのフローレンは映画スターやプレイボーイに夢中になり、ムーミンパパは侯爵と知り合いになったことで自分のことを「ムーミン伯爵」と呼ぶ始末。そんな2人に腹をたてたムーミンとムーミンママはホテルを飛び出してしまい、一家はバラバラになってしまうのだが…。



フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが生みだした不思なや生き物ムーミンと仲間たちのハートウォーミングな物語は、童話、漫画、絵本、アニメなどさまざまな形でメディア化されている。映画も過去に劇場版があったが、意外なことにフィンランドで製作される長編アニメーションは、これが初めてなのだそうだ。今回は住み慣れたムーミン谷を飛び出して、南フランスのリビエラを舞台に、ムーミン一家に訪れる家族の危機を描いている。ムーミンというシリーズは、自然たっぷりの北欧ならではの、素朴でのんびりしたテイストが特徴だが、今回の舞台はゴージャスで誘惑が多い高級リゾート地。もともと性格が多種多様で、決して完璧な善人ではない(人ではないけれど)ムーミンたちが、誘惑に負けたり、物欲や虚栄心に翻弄されるストーリーは、可愛らしい絵柄とは裏腹にかなり生々しい。トーベ・ヤンソン生誕100周年記念というだけあって、子どもだけでなく大人も楽しめて、時に考えさせられる内容なのだ。カラフルな色彩とシンプルな線で描かれたキャラクターは、手描きアニメの良さがたっぷりつまっている。お気に入りのキャラ、自由を愛するスナフキンの活躍が少ないのが個人的にはちょっと残念だった。

【60点】

(原題「MOOMINS ON THE RIVIERA」)

(フィンランド・仏/グザヴィエ・ピカルド監督/(声)高山みなみ、大塚明夫、谷育子、他)

(ハートウォーミング度:★★★★☆)

チケットぴあ



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