source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
アイズ ワイド シャット [Blu-ray](amazon)
キネマ旬報DDによる『博士…』(池袋文芸坐のみ)『時計…』『バリー…』『フルメタル…』『アイズ…』上映がもう間近に迫って来ました。そこで「こんな小ネタを知っていればキューブリック作品をより楽しく鑑賞できますよ」という記事を投下したいと思います。今回は『アイズ ワイド シャット』編。尚、この記事はネタバレを含んでいて、過去に映画館や、BDやDVDで鑑賞済みの方に向けたものです。未見の方はまずは作品に集中し、この記事を読まないようにお願いいたします。
(1)マンディが服用したドラッグをジーグラーが説明するセリフに「スピードボールだかスノーボールだか」のスノーボールとは、前作『フルメタル…』でハートマンに「クロンボ定食は出さん!」と罵られたブラウン二等兵のニックネームからの引用。
(2)トム・クルーズ演じるビル医師の問診を受けている少年はキューブリックの孫のアレックス。後ろには母親のカタリーナ(キューブリックの長女)が腕組みをして立っている。(詳しくはこちら)
(3)ハーフォード夫妻のリビングのテレビにはアメフトが映っているが、キューブリックは大のアメフト好き。
(4)ソナタ・カフェのシーンにはキューブリックと、妻のクリスティアーヌが客として出演している。
(5)ミリチの娘を演じたリーリー・ソビエスキーはこの時14歳。つまりロリータを演じたスー・リオンの撮影時と同じ年齢。
(6)乱交シーンで最初に通り抜けるホール、水色の壁に中央にシャンデリアがある部屋、赤い絨毯と多くの書籍がある部屋はNHKで放送中のTVドラマ『ダウントン・アビー』のロケ地でもあるハイクレア城。
(7)謎の赤マントを演じたのは『バリー…』でブリンドン卿を演じたレオン・ヴィタリ。
(8)ビルが屋敷を探りに行くために秘書聞いた午後の予定「4時にコミンスキー」は『2001年…』で人工睡眠中だったコミンスキー博士の引用。それに答えた「ミラー先生」とは同じく『2001年…』でフロイト博士を宇宙ステーションで出迎えた保安部のミラーからの引用。
(9)謎の老人の尾行シーンに「STOP」という道路標識が「STOP(止めろ)」という吹き出しのように構図されている。
(10)長年運転手兼秘書としてキューブリックを支えたエミリオ・ダレッサンドロが新聞売店のおじさん役で出演している。またセットに「エミリオの店」という看板を掲げられるという名誉も授かっている。
(11)ビルが思わず買った新聞の大見出しには「LUCKY TO BE ALIVE」(生きているだけで幸運)と書かれている。
(12)ビルが向かった遺体安置所は「C棟の114号室」つまり「CRooM 114」。『博士…』で登場した暗号封鎖回路CRM114と同じになる。ただし映像ではC棟である事しか確認できない。