2015年4月16日木曜日

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source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック








オムニバス:ミスター・リンカーン

Omnibus / Mr. Lincoln

The Birth and Death of Abraham Lincoln




制作年:1952年

制作:リチャード・ド・ロシュモン

台本:ジェームズ・エイジー

出演:ロイヤル・ダノ(リンカーン)



 リンカーンの生涯を描く全5話からなるテレビ作品。NBCのテレビシリーズ「オムニバス」のために制作された。1951年夏、『恐怖と欲望』を製作中、資金難に陥ったキューブリックはド・ロシュモンに助けを求め、この作品の第2班監督の仕事をもらった。



『フィルムメーカーズ スタンリー・キューブリック』より)




 よくフィルムが残っていましたね・・・。1951年の夏といえば、『恐怖…』の撮影をカリフォルニアで終えた直後。どうやらすでにこの時点で資金が底を尽き、ポストプロダクションの資金捻出のために、当時キューブリックの後見人的立場だったド・ロシュモンにこの仕事を紹介してもらったそうです。キューブリックは「僕らは実はド・ロシェモンの子供だよ」とロシュモンの妻に語り、『突撃』の頃になってやっとこの頃借りた500ドルを全額返済しています。キューブリックはその際「自分が将来しかるべき立場に立ったときに、援助を受けるべき若い監督に出会ったら、ド・ロシュモンを手本にしたい」とメモを添え、ド・ロシュモンは返信の手紙で「いまやアメリカで一番ホットになった若い監督への賭けが終わったことを惜しくさえ感じる」と書き、結びに『ロリータ』の映画化を薦めていたそうです。



 キューブリックのキャリアの初期にとって重要な存在だったリチャード・ド・ロシュモンとのちょっといい話、ですね。