source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
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内容は近況報告とキューブリックへの感謝が綴られています。この時期、スーはラジオ・エンジニアのリチャード・ラドマンとの結婚10年目で、とても幸せな様子が伺えます。「もうスー・リオンとは名乗りません」とし、スーリン・ラドマンとしています。そんな結婚生活も結局は2002年に破局するのですが。(詳細はこちら)
この1994年という時期は、それまで4回も結婚と離婚を繰り返した挙句にやっと相手にも恵まれ、スーにとって最も幸せな時期だった事はまちがいないでしょう。それに経済的にもビデオ化された『ロリータ』からそれ相応のギャランティがスーの懐を潤していたはず。「私の成功の理由はあなたがいたから」なんて殊勝な事を書いているところを見ると、そんな近況が読み取れます。「私の人格崩壊は『ロリータ』から始まった」などと言っていたのに随分な変わりようですね。それは手紙の最後を「お便り待ってます」で結ぶあたりにも伺えます。
実際にキューブリックが返信を書いたかどうかは定かじゃありませんが、こういった「裏切りと手のひら返し」にしょっちゅう遭っていたキューブリックは、この手紙を受け取って何を思ったでしょうね。その後も『ロリータ』はDVD、BD化されるたびに「キューブリック作品」というブランド力で世界中で売れまくっています。主演女優の老後の心配をさせないくらいの稼ぎは十分あるでしょう。インタビューなどもう受ける気もないようですので、せめて自叙伝くらい書いてもらってその波乱万丈な人生を記録に残すべきじゃないでしょうか。