source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
クラークの小説版『2001年…』で描写のあった、ケネディ宇宙センターでフロイド博士がスペース・シャトル「オリオン3号」に乗り込むシーンのイメージボードで、ロバート・マッコールが描いたものです。小説での描写通り射出カタパルト式でブースター・ロケットに背負われてるがわかりますね。実はシャトル本体の尾部もブースター(第二弾)なのですが、本来切り離されるはずのこの部分は映画では付いたまま飛行していました。翼の切れ目からパンナムのマークごとばっさり尾部がなくなってしまうと、かなり不格好になってしまうのでキューブリックがそれを嫌がったというのが定説になっています。
しかしCGのない時代、ストーリー的にさして重要でないシャトル搭乗シーンを、キューブリックの高い要求に合わせて映像化するとなると、かなり制作費がかさむ事が想像されます(フロイドに質問する記者や他の乗客などエキストラも多数必要)。なにかと時間とお金をかけすぎとの話が多い『2001年…』ですが、キューブリックが物語を進めるのに最低限必要なシーンしか映像化していないのに気付きます。それに地上のシーンがあると映像の陳腐化がもっと早くなってしまっていたでしょうね。