source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
ファッショナブルなシニア女性を紹介するブログから誕生したドキュメンタリー「アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生」。“美は年齢とは無関係”の言葉に貫禄が漂う。
NYで見かける個性的なファッションに身を包んだ60歳オーバーの女性たち7人に密着し、彼女たち独自のファッション哲学や、日々の暮らしぶり、歩んできた人生や忍び寄る死までも、カメラに納め、シニア女性たちの生き様を描いていく。
NYの路上で見かけるおしゃれなシニア女性を取り上げるブログ「アドバンスト・スタイル」は、写真集が発売されるなど、瞬く間に大評判になった。ブログの発案者であるアリ・セス・コーエンがプロデューサーを務める本作では、7人の女性たちに密着する。多数の肩書きを持つスタイリスト(62歳)、40年以上続くブティックのオーナー兼デザイナー(80歳)、ウェスト・ビレッジに住む女流画家(93歳)、ニューヨーク社交界で著名なマダム(95歳)らが登場するが、誰もが唯一無二の存在感を示している。年齢を重ねることで彼女たちの自信も積み重なっていったのだろう。思えば、美しく装いたいという願いは、年齢を超越したものなのだ。だが、おしゃれ上級者のマダムたちの、派手で個性的、ゴージャスな外見だけに惑わされてはいけない。ファッションへのこだわりはハンパなく、あるマダムは洋服にぴったりあうイヤリングを探してコーディネイトを完成させるのに7年かかったと言う。自分の美意識に決して妥協しないスタンスは、高価なブランドものや安価なファストファッションなどの流行とは異次元のファッション哲学。それはそのまま彼女たちの人生哲学でもある。老いや死への不安を否定せずに、生を謳歌するファッショニスタの姿は堂々として憧れる。
NYで見かける個性的なファッションに身を包んだ60歳オーバーの女性たち7人に密着し、彼女たち独自のファッション哲学や、日々の暮らしぶり、歩んできた人生や忍び寄る死までも、カメラに納め、シニア女性たちの生き様を描いていく。
NYの路上で見かけるおしゃれなシニア女性を取り上げるブログ「アドバンスト・スタイル」は、写真集が発売されるなど、瞬く間に大評判になった。ブログの発案者であるアリ・セス・コーエンがプロデューサーを務める本作では、7人の女性たちに密着する。多数の肩書きを持つスタイリスト(62歳)、40年以上続くブティックのオーナー兼デザイナー(80歳)、ウェスト・ビレッジに住む女流画家(93歳)、ニューヨーク社交界で著名なマダム(95歳)らが登場するが、誰もが唯一無二の存在感を示している。年齢を重ねることで彼女たちの自信も積み重なっていったのだろう。思えば、美しく装いたいという願いは、年齢を超越したものなのだ。だが、おしゃれ上級者のマダムたちの、派手で個性的、ゴージャスな外見だけに惑わされてはいけない。ファッションへのこだわりはハンパなく、あるマダムは洋服にぴったりあうイヤリングを探してコーディネイトを完成させるのに7年かかったと言う。自分の美意識に決して妥協しないスタンスは、高価なブランドものや安価なファストファッションなどの流行とは異次元のファッション哲学。それはそのまま彼女たちの人生哲学でもある。老いや死への不安を否定せずに、生を謳歌するファッショニスタの姿は堂々として憧れる。
【65点】
(原題「ADVANCED STYLE」)
(アメリカ/リナ・プリオプリテ監督/ジョイス・カルパティ、リン・デル、イロナ・ロイス・スミスキン、他)
・アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生@ぴあ映画生活