2015年5月29日金曜日

明烏 あけがらす

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




借金返済で追い込まれる最下位ホストと烏合の衆の12時間の攻防を描く異色コメディー「明烏 あけがらす」。売れっ子の菅田将暉が演じる主人公のダメッぷりが最高!

品川で細々と営業するホストクラブ“明烏”で働くナオキは、指名ゼロの最下位ホスト。ヤミ金融の1000万円の借金返済期限を間近にして金が用意できたことを祝い、宴会を開くが、目覚めると金は消え、同僚ホストはそんな金は見ていないという。あれは夢だったのかとあせるナオキは、金策に奔走する。同僚、金が払えない女性客、田舎から出てきた父親、と人は次々に増えるが、誰も頼りにならない。このままでは12時間後に東京湾に沈められてしまうが…。

古典落語「明烏」や「品川心中」をベースにしたシチュエーションコメディーだが、ヤミ金から借金返済を迫られるという怖ろしげな設定とは裏腹に、すべてがユルくとぼけている。事の発端である用意できたはずの1000万円というお金はどうやら夢だった…というところから、この話には何かオチがあるに違いないと気付くはずだ。監督が「HK/変態仮面」「女子ーズ」の福田雄一らしく、出てくる登場人物はすべてがオバカ揃い。中でも主演のナオキを演じる菅田将暉の意外なコメディーセンスには驚かされた。現在、超売れっ子の彼がアフロヘアのズラをかぶって右往左往するだけで、笑いがこみあげる。福田組の常連ムロツヨシと佐藤二朗らももちろん参戦、相変わらずのしょーもなさで福田映画を盛り上げている。ダメ人間の主人公の窮地には、意外な真実が用意されているが、その驚きは見てのお楽しみ。世の中のキビしさを込み入った手口で教えるという、ちょっと出来すぎのいい話になってしまったが、そこは落語よろしく「おあとがよろしいようで」。
【60点】
(原題「明烏 あけがらす」)
(日本/福田雄一監督/菅田将暉、城田優、若葉竜也、他)
(おバカ度:★★★★☆)
チケットぴあ

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明烏 あけがらす@ぴあ映画生活