source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
(ショートバージョン)
工場を解雇されたサンドラは、復職は、同僚たちにボーナスを返上してもらわねばならないという条件をつきつけられる。週明けに投票が行われることになり、サンドラは週末を利用して同僚たちを説得してまわるのだが…。
どうにも苦手。どうにも貧乏くさい。ヒロインが甘ったれ。ヒロインに感情移入できない。ベルギーの名匠ダルデンヌ兄弟の「サンドラの週末」は、そんな困った映画だ。ところがこれまた困ったことに、見る価値がある。ダルデンヌ兄弟は初期の傑作「ロゼッタ」でも職を失う女性を描いているが、本作ではオスカー女優のマリオン・コティヤールがリストラされた泣き虫のヒロインを演じている。劇中のサンドラは美しいが特別に仕事ができるわけでもない平凡な女性だ。有名女優がそんな主人公を演じることで、不況にあえぐヨーロッパの経済危機は少しくらいの能力や知名度では、どうにもならないところまできていると通告する。実際、復職したいサンドラが自分のためにボーナスをあきらめてくれと頼んで、それを断る人々を誰が責められよう。おそらく賛否両論になるであろう、この物語、サンドラの成長物語として評価したい。心が折れても周囲の優しや励ましで、もう少しだけ頑張れる。それが私たち人間なのだから。
どうにも苦手。どうにも貧乏くさい。ヒロインが甘ったれ。ヒロインに感情移入できない。ベルギーの名匠ダルデンヌ兄弟の「サンドラの週末」は、そんな困った映画だ。ところがこれまた困ったことに、見る価値がある。ダルデンヌ兄弟は初期の傑作「ロゼッタ」でも職を失う女性を描いているが、本作ではオスカー女優のマリオン・コティヤールがリストラされた泣き虫のヒロインを演じている。劇中のサンドラは美しいが特別に仕事ができるわけでもない平凡な女性だ。有名女優がそんな主人公を演じることで、不況にあえぐヨーロッパの経済危機は少しくらいの能力や知名度では、どうにもならないところまできていると通告する。実際、復職したいサンドラが自分のためにボーナスをあきらめてくれと頼んで、それを断る人々を誰が責められよう。おそらく賛否両論になるであろう、この物語、サンドラの成長物語として評価したい。心が折れても周囲の優しや励ましで、もう少しだけ頑張れる。それが私たち人間なのだから。
【60点】
(原題「DEUX JOURS, UNE NUIT/TWO DAYS, ONE NIGHT」)
(ベルギー・仏・伊/ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ監督/マリオン・コティヤール、ファブリツィオ・ロンジョーネ、ピリ・グロワーヌ、他)
・サンドラの週末@ぴあ映画生活