2015年7月13日月曜日

リアル鬼ごっこ

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


リアル鬼ごっこJK
トリプルヒロインが血まみれで逃げまくるホラー・サスペンス「リアル鬼ごっこ」。何もこのタイトルにしなくても…。

女子高生をのせた修学旅行中のバスが謎の突風によってバスごと上下真っ二つに切り裂かれる。偶然かがんでいて助かったミツコは山中を走り続けて逃げるが、ふと気付くと学校に辿りついていた。一方、ケイコは訳もわからないままウエディングドレスに着替えさせられ、やはり何者かに追われて逃げる。そして陸上部のいずみも仲間と共に走っていると、マシンガンを持った女教師から狙われる…。迫りくる恐怖と対峙しながら彼女たちが辿りつく先とは…。

山田悠介の人気ホラー小説を原作とした映画「リアル鬼ごっこ」は、過去にも何度か映画化されているが、本作は、鬼才・園子温監督のオリジナル脚本。全国の“佐藤さん”の数を減らすため殺人ゲームが繰り広げられた過去作を知らなくても、全然問題がない作りなので、安心してほしい。というより、何かから追われて逃げるという設定以外は、まったく別物なので、なぜこの作品の題名をわざわざ「リアル鬼ごっこ」としたのか、意図不明だ。物語は不条理劇なので、基本なんでもあり。映画序盤から、動体切断や銃乱射などによる情け容赦ない死に様のグロテスク、無駄に多いパンチラなどのエロティシズムが炸裂。グロとエロがトレードマークの園監督は、最近、少しおとなしい作風に偏っていたが、本作では原点回帰のような過激な殺戮描写をふんだんに盛り込んでいる。シュールすぎる展開が続く物語に登場する37人のキャストは全員女性。そして終盤に、驚きのサプライズ・ゲストが登場し、その役割に思わず唖然とした。不安げで弱々しい表情のトリンドル玲奈が血まみれになって熱演して思わぬ頑張りを見せている。序盤の殺戮と、中盤の疾走、ラスト、鬼ごっこの秘密を知ってドカーンと爆発するまで、原作のことはひとまず忘れて、85分間、逃げ切ってみよう。
【55点】
(原題「リアル鬼ごっこ」)
(日本/園子温監督/トリンドル玲奈、篠田麻里子、真野恵里菜、他)
(原作無関係度:★★★★☆)
チケットぴあ

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