source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
O D Y S S E Y from Ruslan Khasanov on Vimeo.
ルスラン・カサノフは、石鹸やラメなど身近なものを使って神秘的な作品をつくりだす天才だ。遊び心たっぷりのカラフルなマーブル模様は、まるでスタンリー・キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』に出てくる小宇宙を思わせる。
(以下リンク先へ:WIRED/2015年6月5日)
美しい映像ですね。このような鮮明なHD映像にセンシティブなピアノ曲がつけられているのが今世紀風という事でしょうか。
実はこういったカラフルなマーブル映像は、1960年代後半のサイケデリック・カルチャーでよく用いられていた方法です。その頃ははライトショーなどと呼ばれていて、ライブハウスでサイケデリックなサウンドを演奏するバンドのバックに投影し、観客はマリファナを吸いながらラリって踊り狂うというのが当時の最先端のトレンドでした。キューブリックが『時計…』の音楽をオファーしたピンクフロイドはその代表格ですね。
キューブリックは例のスターゲート・シークエンスで、透明な溶液に色付きの溶液をたらしてスローモーションで撮影するという手法を用いましたが、当時のトレンドと無縁ではなかったとは思います。60年代後半という時代はカラー映像が一般化した時代で、世界各地で様々なアーティストが様々な手法を編み出し、「誰も見た事のないトリッキーな映像を創り出してやろう」という気概に満ちていました。もちろんキューブリックもその中の一人だったのです。
※『2001年…』のスターゲート・シークエンス。
※当時の代表的なサイケデリック・バンド、ジェファーソン・エアプレーンのホワイト・ラビット。オリバー・ストーン監督の『プラトーン』のマリファナシーンで使用されている事でも有名。