2015年8月2日日曜日

ミニオンズ

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


Ost: Minions
「怪盗グルー」シリーズの人気キャラのスピンオフ・ムービー「ミニオンズ」。60年代のUKロック好きは必見。

人類が誕生する遥か昔、黄色い謎の生物ミニオンは誕生した。彼らの生きがいは最強最悪なボスに仕えること。だがボスの命は長続きせず、ミニオンたちは次第に生きる気力を失い滅亡寸前に。そんな中、ケビン、スチュアート、ボブの3人組は最強のボスを探して危険な旅に出発する。最悪ご主人様候補の女悪党スカーレット・オーバーキルと出会うが、英国女王の王冠を盗むというミッションを課されることになる…。

なんとなんと!ついにミニオンが主役に躍り出た。実は私はこの、何のために存在しているのか不明のキュートな生物・ミニオンが大好きなので、この大出世は実に嬉しい驚きだ。擬音しか発しないミニオンの物語は、まるで無声映画のスラップスティック・コメディのように楽しい。舞台は、なぜか60年代のアメリカと、そしてロンドン。ファッションや音楽などサブカルをにらんだストーリーは、UKロックファンなら思わず身を乗り出すに違いない。物語は最強最悪のボスを探すミニオンズの大冒険だが、後半の盛り上がりは女悪党スカーレットとミニオンズの攻防戦。展開はかなりムチャなのだが、そこは“謎の生物”だもの、大目に見よう。大騒ぎの末に収まるところに収まったミニオンズが、ラスト、まだ幼い怪盗グルーと出会うという演出が心憎い。ミニオンズのご主人探しの旅も楽しいが、実は興味深かったのは、有史から連綿と続くミニオン・ヒストリーで、こちらの方に興味津々になってしまった。何しろ、ミニオンたちが使えたボスは、Tレックス(恐竜)、ドラキュラ、ナポレオンとそうそうたるメンバーなのだ。彼らがデニムのオーバーオールを着ている理由が分かったのは収穫。ま、大局的にどうでもいいことではあるが。
【65点】
(原題「MINIONS」)
(アメリカ/ピエール・コフィン、カイル・バルダ監督/(声)サンドラ・ブロック、マイケル・キートン、他)
(キュート度:★★★★★)
チケットぴあ

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