source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
(ショートバージョン)
増加する犯罪対策と不満を募らせる国民のガス抜きが目的で始まった法律パージ。今年も、1年間で12時間だけ、殺人を含むすべての犯罪が許される特別な時間が迫る。車がパンクしたため街をさまよう夫婦、病気の父と幼い娘と暮らすシングルマザー、息子の復讐のため武装してパージに臨む男…。彼らは計らずも協力しながら、それぞれの思惑でサバイバルを繰り広げるが…。
異色のサバイバル・サスペンス・シリーズの続編「パージ:アナーキー」。今回はイーサン・ホークは出ていないが、低予算映画ながらスマッシュ・ヒットとなった前作のおかげで予算が増えたのだろう、銃撃戦やカーチェイスなど、アクション描写は格段に派手になった。今回は無法地帯と化した街中でのサバイバルだが、本作ではなぜパージが行われているかという謎が明かされる。それは一握りの富裕層にかかわる搾取ともいえる構造なのだが、現代のアメリカ社会を照射しているのは明らかだ。とはいえ、社会派ムードはあまり感じられず、相変わらずの殺人合戦。パージという設定はユニークだが、逃げながら、それぞれが変化し成長するのは、きわめてオーソドックスな作りである。映画の結末は明かさないが、ラストは思いがけず、希望の光が。国家や権力側にはもはや期待する要素はなく、社会をよくするためには、個人の良心に期待するしかないということか。
異色のサバイバル・サスペンス・シリーズの続編「パージ:アナーキー」。今回はイーサン・ホークは出ていないが、低予算映画ながらスマッシュ・ヒットとなった前作のおかげで予算が増えたのだろう、銃撃戦やカーチェイスなど、アクション描写は格段に派手になった。今回は無法地帯と化した街中でのサバイバルだが、本作ではなぜパージが行われているかという謎が明かされる。それは一握りの富裕層にかかわる搾取ともいえる構造なのだが、現代のアメリカ社会を照射しているのは明らかだ。とはいえ、社会派ムードはあまり感じられず、相変わらずの殺人合戦。パージという設定はユニークだが、逃げながら、それぞれが変化し成長するのは、きわめてオーソドックスな作りである。映画の結末は明かさないが、ラストは思いがけず、希望の光が。国家や権力側にはもはや期待する要素はなく、社会をよくするためには、個人の良心に期待するしかないということか。
【55点】
(原題「THE PURGE:ANARCHY」)
(アメリカ/ジェームズ・デモナコ監督/フランク・グリロ、カーメン・イジョゴ、ザック・ギルフォード、他)