2015年9月20日日曜日

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


『進撃の巨人』オリジナル・サウンドトラック【前後編分=約80分収録/透明フィルム特殊ジャケット+20Pブックレット】
(ショートバージョン)
巨人たちが壁を壊して侵入し、多くの人類が犠牲になった。対巨人の調査兵団の一員になったエレンは巨人に飲み込まれ自身が巨人化し、襲ってきた巨人たちと命がけで戦う。しかし、突如巨人化したエレンを、調査兵団の上層部は疑いの目で見ていた。そんな中、巨人が壊した壁を修復し最後の闘いに挑むため、エレンらは再び、壮絶な作戦に身を投じる。巨人誕生の謎、さらには人類最強の男と呼ばれるシキシマの謎が明かされるのだが…。

諫山創の大人気コミックを2部作で描く後篇「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」は、巨人と人類の最終決戦を描く。どこか消化不良だった前篇に対し、後篇は、巨人誕生を含む多くの謎に回答がきっちりと示される律儀な作りだ。邦画では圧倒的なスケールとVFXを駆使した迫力のヴィジュアルで話題の本作だが、原作ファンが熱狂的だけに、前篇は賛否が大きく分かれてしまった。映画オリジナルのキャラである、限りなくリヴァイ的なシキシマの存在もまた物議を醸した大きな要因である。すべての謎が明かされる後篇だが、ヴィジュアルの迫力は既視感があるせいか、前篇ほどの驚きはない。むしろシキシマが明かす巨人誕生の秘密に、人類の愚かさと底知れぬ欲望が垣間見えてゾッとするはずだ。テーマや世界観はきちんと伝わってくる。一方で、立体機動装置の描き方は、演じた俳優たちの苦労にもかかわらず、ハリウッド映画の圧倒的なビジュアルとアクションに目が慣れてしまったためか、稚拙に見えてしまうという課題も残った。希望と困惑が混在するラストにあるのは、閉塞的な時代を自ら打破しろとのメッセージ。2部作の大作の完結という開放感を感じてほしい。
【65点】
(原題「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」)
(日本/樋口真嗣監督/三浦春馬、長谷川博己、水原希子、他)
(希望度:★★★★☆)
チケットぴあ

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