source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
今回は、映画レビューとはちょっと趣を変えて、書いてみますね。
「人間の口と肛門をつなげてムカデ人間を作りたい!」。こんなワケわからない…、というよりトチ狂った欲求を追求したトンデモ映画「ムカデ人間」は、その狂気じみたグロテスクな内容がウケて、なんと3作も作られました。なるほど、最初の「ムカデ人間」は衝撃的にキモかったんですが、ストーリーとしては意外にもまっとうなんです。マッド・サイエンティストなんて、昔から映画に登場する人気キャラですから。
でも、その後の「ムカデ人間2」と今公開されている「ムカデ人間3」は、人間をつなげるというおぞましい行為は一緒でも、ちょっとタイプが違います。というか、映画的に面白い試みをしています。
それは、映画「ムカデ人間」を見た変態たちが、映画(DVDですが)をヒントにさらなる悪行を企てるという、映画の影響を極端な形でネタにしているところ。「2」の衝撃もさることながら、今回の「3」の“失速のふりをした大団円(?)”には、なかなか感心させられました。さらにこの「3」では、劣悪な刑務所の経費節減のためにB級映画「ムカデ人間」をヒントにするという離れ業を披露(笑)。
どんどんつなげて、500人の長ーーーーい列になっていく途中で、美人でセクシーな秘書までうっかりつないでしまったりという、いいかげんさもまたこのシリーズのお約束。過去の出演者も登場し、ファンサービスも文句なしです。もっとも「つなげる」までのプロセスが少々長すぎて中だるみするのはご愛嬌でしょうか。
紛うかたなき変態シリーズですが、通して見ると、なかなか興味深いです。人間の業や身勝手さ、ついには資本主義社会の批判まで(←ホントかぁ?!)。おすすめはしませんが、どうか無視しないで。こういう世界もまた、映画なんですから。
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・ムカデ人間3@ぴあ映画生活