source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
※ここによるとかなり入手の難しいレンズらしい。(写真はキューブリック所有のものではありません)
フランスのキノプティック社の超広角レンズ、テゲアは歪み(歪曲収差)がないのが特徴で、下記の撮影映像を見れば、映像の端でも像が歪んでいないのが良くわかります。周囲から中心に向かって極端なパースがかかるため、臨場感とインパクトある画が撮影でき、キューブリック作品では『時計…』の作家の妻を担ぐシーンや、キャットレディとの格闘シーンが有名ですね。
ハリウッドの極端な歪みやパースをタブーとする風潮にあえて逆らい、キューブリックが広角・超広角の映像を好んで作品内で使用したことは、その後の映像の世界に大きなインパクトを与えています。現在では当たり前になっている超広角レンズを使いローポジションからローアングルで撮影し、手足の長さを強調するダンス音楽系のPVは、ルーツを辿ればキューブリックだと言えるかも知れません。
※作例の動画。画面の淵でも建物の線がまっすぐなのがわかる。
※有名な『時計…』でのテゲア使用シークエンス。