source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
場末のボクサーとダンサーが恋に落ち、ダンスホールの嫉妬深いオーナーから手を取り合って逃げ出すというストーリーの映画を企画するが、実際に主演の二人が恋に落ちてしまい、女優のパトロンでもある映画の出資者がそれを知って激しく嫉妬、そして・・・というサスペンス風味の少し苦いラブストーリー。
製作する映画がキューブリックの『非情の罠』をモチーフにしているので、そのオマージュがあちらこちらに登場してキューブリックファンならそれだけでも楽しめます。ピーター・コヨーテ
演ずる監督の名前が「スタンリー」、ダン・ショア演じるプロデューサーが「ファリス」(ジェームズ・B・ハリスのもじり)、嫉妬する出資者が「フランク・シルバ」(おそらく『非情…』で悪役のラパロを演じたフランク・シルベラのもじり)という役名というだけでニヤっとできちゃいますね。
『非情…』では舞台はニューヨークで、撮影はほとんどロケでしたが、この映画では舞台を1950年のハリウッド、全てセット撮影と変更されています。でも、ストーリーラインはほぼ『非情…』と同じで、オマケに映画完成後の試写室で監督が力説する次回作の「泥棒映画」の構想までオマージュするというオチまで、キューブリックファンにとってはとても楽しめる映画となっています。
ただし、純粋に映画としての完成度は全くの駄作で、主演二人の恋模様とそれに嫉妬する出資者という三角関係も盛り上がらない事甚だしい。正直、キューブリックファン以外は観る価値は全くありません。そんな現実を反映してかDVD化はされてないようです。まあ、このデキならそれも仕方ないとは思いますが。
管理人はamazonからVHSを購入いたしましたが、VHSの再生環境がある方はレンタル落ちが安価で販売していますし、ご覧になってみるのも一興かと。繰り返しますが、キューブリックファンはとても楽しめますが映画としては全くの駄作ですので、それを覚悟の上ご購入&ご視聴ください。
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ストレンジャーズ・キス [VHS]