source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
15年前にアカデミー賞を受賞したものの、その後、ずっと低迷している脚本家キースは、妻に逃げられ息子には会えず、破産寸前の生活を送っている。お金のためにしぶしぶ引き受けたのは、片田舎の大学でのシナリオコースの講師。最初はまったくやる気がなかったキースだったが、映画を愛する個性豊かな生徒たちの情熱に触れ、彼らに教えることで、次第に変化していく…。
いいかげんなダメ男なのにどこか憎めない。そんな役をやらせたら天下一品のヒュー・グラントだが、まるで彼のためにあてがきされたかのような「Re:LIFE リライフ」は、グラントとは「ラブソングができるまで」などで何度もタッグを組んでいるマーク・ローレンス監督による人間ドラマだ。かつてのロマコメの帝王のグラントも、落ちぶれてやる気をなくした男の再生の物語がよく似合うような年齢になった。主人公が生徒たちの情熱によって、自らの仕事や家族、人生を見つめ直し、もう一度チャレンジする勇気や本当に大切なものに目覚めていく展開は、正直、先が読めてしまう。だがこの映画、とにかくキャラが立っているし、役者がいいのだ。歳を重ねてもキュートなマリサ・トメイが演じるキースを励ますシングルマザーは魅力的だし、「セッション」でドSの鬼教師を演じていたJ・K・シモンズが、今度は家族思いで涙もろい学科長を演じていたりするから面白い。その他、映画のシナリオコースというだけあって、シェイクスピアおたくやスターウォーズおたくも登場し、映画ファンは思わずニヤリとしてしまうはず。主人公を見ていると、最近ちょっとパッとしないヒュー・グラントと重なって見えたのは、私だけ? 人は誰でも人生で一度はつまずくが、人生のシナリオは書き直せるのだと教えてくれる。大きな驚きはないが、心あたたまるドラマだ。
いいかげんなダメ男なのにどこか憎めない。そんな役をやらせたら天下一品のヒュー・グラントだが、まるで彼のためにあてがきされたかのような「Re:LIFE リライフ」は、グラントとは「ラブソングができるまで」などで何度もタッグを組んでいるマーク・ローレンス監督による人間ドラマだ。かつてのロマコメの帝王のグラントも、落ちぶれてやる気をなくした男の再生の物語がよく似合うような年齢になった。主人公が生徒たちの情熱によって、自らの仕事や家族、人生を見つめ直し、もう一度チャレンジする勇気や本当に大切なものに目覚めていく展開は、正直、先が読めてしまう。だがこの映画、とにかくキャラが立っているし、役者がいいのだ。歳を重ねてもキュートなマリサ・トメイが演じるキースを励ますシングルマザーは魅力的だし、「セッション」でドSの鬼教師を演じていたJ・K・シモンズが、今度は家族思いで涙もろい学科長を演じていたりするから面白い。その他、映画のシナリオコースというだけあって、シェイクスピアおたくやスターウォーズおたくも登場し、映画ファンは思わずニヤリとしてしまうはず。主人公を見ていると、最近ちょっとパッとしないヒュー・グラントと重なって見えたのは、私だけ? 人は誰でも人生で一度はつまずくが、人生のシナリオは書き直せるのだと教えてくれる。大きな驚きはないが、心あたたまるドラマだ。
【60点】
(原題「THE REWRITE」)
(アメリカ/マーク・ローレンス監督/ヒュー・グラント、マリサ・トメイ、J・K・シモンズ、他)
・Re:LIFE~リライフ~@ぴあ映画生活