2015年11月14日土曜日

コードネーム U.N.C.L.E.

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


「コードネームU.N.C.L.E.」 オリジナル・サウンドトラック
東西冷戦下の1960年代。ナチスの残党が核兵器拡散をたくらむ謎の国際犯罪組織と手を組んだ。世界のパワーバランスを脅かす大規模なテロ計画を阻止するため、アメリカのCIAとソ連のKGBが長年の敵対感情をひとまず忘れ手を組むことに。コンビを組むのは、CIAで最も有能な男といわれるナポレオン・ソロとKGBに史上最年少で入った超エリートのイリヤ・クリヤキン。やり方も考え方も正反対の2人は、何かと対立するが、鍵を握るドイツ人科学者の娘を守りながら核兵器の大量生産を阻止すべく奔走する…。

60年代に一大スパイものブームを巻き起こした伝説的TVシリーズ「0011 ナポレオン・ソロ」を、スタイリッシュな演出と独特の映像感覚でスピーディに活写したのが「コードネーム U.N.C.L.E.」。単純なリメイクや、設定を現代に置き換えたりはせず、あえて60年代のポップでレトロな雰囲気の中で凄腕スパイ2人が大活躍するエンタテインメントに仕上げたのが良かった。今回は久し振りにガイ・リッチー監督自ら脚本も担当しているだけあって、セリフが小粋でテンポがいい。のんびりした60年代が舞台だが、アクションはスピーディだし、ここぞというところでヒュー・グラントを投入するなど、演出も抜かりがない。もちろん、アーミー・ハマーはロシア人にはとうてい見えず、悪女のエリザベス・デビッキがパリス・ヒルトンに激似など、つっこみどころはあるものの、女好きのナポレオン・ソロとカタブツのクリヤキンという正反対の二人は見ていて楽しめる。真逆でありながら、実はお互いのことを誰よりも理解している男性コンビは「シャーロック・ホームズ」でもガイ・リッチーが描いたお得意の素材。60年代のファッションや音楽なども、往年のファンにはたまらないだろう。スパイ映画の大作がひしめく今年、本作は意外にも拾いもの。シリーズ化希望!である。
【70点】
(原題「THE MAN FROM U.N.C.L.E.」)
(アメリカ/ガイ・リッチー監督/ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデル、他)
(レトロモダン度:★★★★☆)
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