source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
何をやっても上手くいかないチャーリー・ブラウンは、転校してきた赤毛の女の子に一目ぼれしてしまう。何とか彼女にアピールし話しかけようとするが、あと一歩のところで勇気が出ない。飼い犬で親友のビーグル犬・スヌーピーはそんなチャーリーを応援する。チャーリーが女の子をダンスに誘うため奮闘する一方で、想像力豊かなスヌーピーは、空想の翼を広げ、大空を舞台にしたアドベンチャーを繰り広げる…。
チャールズ・シュルツ原作で、世界中で愛されている名作コミックの劇場版「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」。スヌーピーとチャーリー・ブラウン、そしてルーシーやライナスといったおなじみの仲間たちに、大スクリーンで出会えるとは嬉しい驚きだ。しかも3Dである。スヌーピーのふわふわ、モフモフの毛がリアルで可愛いが、それでは原作の味わいが消えるのでは?と思ったファンもご安心を。チャールズ・M・シュルツの息子と孫が原案者であり、シュルツの大ファンを自認するスティーブ・マーティノが監督を務め、「アイス・エイジ」シリーズで知られるブルー・スカイ・スタジオが3DCGを担当しているのだ。万事手抜かりはない。ニクい演出は、チャーリー・ブラウンの頭の中の出来事(妄想)として、シュツルのあたたかみのある手描きアニメが、あのおなじみの線で登場すること。物語は、チャーリーの不器用な恋とスヌーピーの妄想アドベンチャーで、チャーリーの恋だけでは、さすがにストーリーとして弱いので、強引にアクションを組み合わせた感じに違和感を感じるが、そこはスヌーピーの愛らしさでヨシとする。私は試写室で字幕版を鑑賞したが、吹替え版もとても評判がいいようだ。ピーナッツの面々を初めて知る子供たちも、懐かしさでいっぱいの往年のファンも、家族みんなで楽しめるファミリー・ムービーに仕上がっている。
【60点】
(原題「PEANUTS」)
(アメリカ/スティーヴ・マーティノ監督/(声)鈴木福、芦田愛菜、小林星蘭、他)
・I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE@ぴあ映画生活