2015年12月8日火曜日

【名曲たち】『芸術家の生活』(Kunstlerleben Walzer op. 316)

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック




 『芸術家の生活』作品316は、ヨハン・シュトラウス2世が1866年作曲したワルツ曲。

 シュトラウスのワルツといえば『2001年…』で使用された『ドナウ』が有名ですが、キューブリックはこの曲も作品内で使用しています。どの作品かといえば『突撃』の城内での夜会のシーン。このシーンではダックス大佐とブルーラード将軍の間で兵士の死刑を巡って丁々発止のやりとりが行われますが、そのBGでずっと優雅に鳴り続けていて、扉を開け閉めするタイミングで音が大小するあたりにキューブリックらしい皮肉を感じます。このシーンの成功が後のキューブリック演出の定番となる「曲のリズムとテンポで編集する」や「ある特定のシーンやシークエンスの意味を強調する」というキューブリック独特のBG起用法につながった可能性もあります。

 wikiによるとシュトラウスは数日でこの曲を書き上げたそうですが、いかいもシュトラウス節なメロディが全開でとてもわかりやすい(笑。キューブリック=『2001年』=『ドナウ』と思っている人に、ちょっとしたトリビアとして披露するにはいい小ネタかも知れませんね。