2016年2月9日火曜日

ザ・ガンマン

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


The Gunman (Blu-ray + DVD + DIGITAL HD with UltraViolet)
元特殊部隊の凄腕スナイパーのジムは、アフリカのコンゴで鉱山利権に絡む極秘の大臣暗殺作戦に参加し、完璧に任務を遂行する。だがジムはその後、愛する恋人アニーも何もかも捨てて姿を消した。血塗られた過去を贖うようにひっそりと暮らしていたジムだったが、数年後、何者かに命を狙われる。コンゴでの暗殺作戦に参加したかつての仲間たちが次々に殺されていることを知ったジムは、敵の正体を突き止め、生き残るために過去と向き合い、再び銃を手に取るのだが…。

過去を捨てたスナイパーが命を狙われたことで再び戦いに身を投じていくサスペンス・アクション「ザ・ガンマン」。昨今、演技派と言われる俳優が、中年(老年?)を迎えて、アクションに挑戦する姿をよく目にする。「96時間」シリーズのリーアム・ニーソンしかり、「キングスマン」のコリン・ファースしかり。お次は、50代半ばの名優ショーン・ペン。しかも監督は「96時間」のピエール・モレルときた。これはひょっとしたら…と期待したのだが、かなり残念な出来栄えである。繊細な心理描写や苦悩する表情が十八番のペンは製作にも名を連ねているが、彼がまずミスキャスト。派手な銃撃戦の中、小柄な体をはって頑張っているのは認める。ある意味、本作最大の見せ場ともいえる、筋肉ムキムキのペンがあまりにも違和感満載だ。役作りなのだろうが、ステロイドという言葉しか頭に浮かばないルックスでは、見ているこちらが困ってしまう。ストーリーの詳細は明かさないが、政治的陰謀や恋愛と、散漫になってしまって、アクション映画の魅力であるカタルシスをほとんど感じないのだ。相変わらず狂気じみた悪役がハマッているハビエル・バルデムや実力派のイドリス・エルバ、レイ・ウィンストンといった贅沢なキャストを揃えながら、この内容ではあまりに悲しい。ポスタービジュアルがまんま96時間なのだから、あれくらいのムチャぶりと爽快感を狙うべきだろう。「96時間」の面白さとリーアム・ニーソンの素晴らしさを再認識して、ため息をついてしまった。
【40点】
(原題「THE GUNMAN」)
(米・西・英・仏/ピエール・モレル監督/ショーン・ペン、イドリス・エルバ、ハビエル・バルデム、他)
(マッチョ度:★★★★☆)
チケットぴあ

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