source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
現在、大ヒット公開中のアニメーション映画「この世界の片隅に」。
封切時は、わずか63スクリーンという小規模上映だったのに、全国映画動員ランキングで初登場10位という結果は、大健闘です(現在は、ヒットを受けて全国100館規模に拡大したようです)。
物語は、戦時中の広島県で、ある一家に嫁いだ18歳の少女・すずが、戦禍の激しくなる中で懸命に生きる姿を描く感動の物語。柔らかなタッチの絵柄も魅力的です。
実はこの映画、クラウドファンディングで作られていたこと、知ってましたか?
実はこの映画、クラウドファンディングで作られていたこと、知ってましたか?
ちなみに、クラウドファンディングとは、ごく簡単に言うと、クリエイターや起業家が、製品やサービスなどの実現のために、インターネットを通じて不特定多数の人から資金の出資や協力を募ることをいいます。起案者も支援者も双方にメリットがあり、映画以外の分野でも行われるシステムですが、映画の場合は、映画製作のために資金を募集するスタイルということになります。
「この世界の片隅に」は、唯一の被爆国である日本の映画が、反戦のメッセージを直接的に描くのではなく、庶民の日常を丹念に綴りながら平和を訴えた内容ということ、日本が誇る文化であるアニメーションであるということなどで、イギリス、フランス、ドイツ、メキシコ、アメリカなど、世界各国での配給が決定しています。
そんな作品が、2度目のクラウドファンディングを決行!片渕須直監督が、作品をアピールしたり、国際的な映画祭での反応を視察するために、海外に赴くための渡航費用・滞在費用を集めるためのプロジェクトとして、11月22日より、再度、クラウドファンディングを実施したわけですが、目標額の1千万円をわずか1日で達成したとのこと。すごい!映画製作の資金のためのクラウドファンディングなら、さほど驚きませんが、監督が海外に赴くための費用なので、ちょっとビックリ(*_*)。ファンの熱意が感じられます。
資金調達が厳しいけれど志が高い映画や、気に入った映画作家を応援する形として、このクラウドファンディング、ちょっと頭のすみっこに入れておいてください。投資ということ以外に、映画に“参加する”喜びが、味わえます (^^)b