source: ZOMBIE手帖ブログ
この度、来年1月13日の公開に先駆け、第一線で活躍する映画作家の生の声が聞ける人気イベント、Meet the Filmmakerに『ネオン・デーモン』の監督ニコラス・ウィンディング・レフンが、ゲームクリエイターの小島秀夫氏と登場!
イベント史上最も多くの観客が集まり、立ち見客も溢れかえるほどの賑わいの中、映画の製作秘話や、クリエイター同士のものづくりに対する思いなど、ここでしか聞けない話がたっぷりと披露された。
登場するやいなや、「ハイ!」と元気よく会場に集まった観客へ挨拶するレフン監督。
レフン監督にとって、日本で一番仲が良いクリエイターと紹介される小島氏、三年前にロンドンで出会ったのが初めてだったという二人は、クリエイター同士ならではの共通した悩みを分かり合える関係だという。6月海外で行われた『ネオン・デーモン』のパーティーで小島氏は、「エルたんメイクしてましたから!」と劇中のエル・ファニング演じるジェシーのグリッターメイクを施して参加したという。「写真に撮ってあります。」とレフン監督もノリノリで二人の仲の良さがうかがえる。
作品の感想を聞かれると、「凄いですよ。レフン監督ならではの世界観に驚き、嫉妬しました。」と作品の衝撃の強さとレフン監督の才能について語った。
これまでの作品では、主人公に男性を起用してきたレフン監督。今回初めて女性のエル・ファニングを起用した理由に「他に誰もいなかった。彼女はこの映画に必要な資質を全て持ち合わせていた。」と即答し、エルの魅力と彼女に対する絶大な信頼を見せる。女性の美への執着、そして憎悪と嫉妬をテーマにした今回の作品で、エルへの演出のポイントを聞かれると「僕を演じてもらわなければいけない、と伝え、シーンごとに自身のキャラクターをおさえて、二人で進めていった。一緒に映画を作る重要なコラボレーターである役者から意見をもらうことも大歓迎。」と製作に関して思いを語る。
音楽の演出が特徴的なレフン監督の作品。音楽が大好きで、音楽からインスピレーションを受けるというレフン監督は作りたい作品のタイプをイメージした音楽を聴きながら作業をするそう。そんなレフン監督を小島氏は「音の使い方が上手い。他の監督は撮ってから音をつけるけど、レフン監督は映画の脚本を作る段階、映像設計の段階から“音”が一緒にあるんでしょうね。」と鬼才の感覚を分析する。
また、世界的クリエイターである二人に、作品が生まれるインスピレーションのもとが何かを聞かれると、小島氏は「普段何かをすることで発想する、出そうと思って努力することはない。」と答えたのに対しレフン監督は「クリスマスのプレゼントが内緒なように、それは教えられない。」と冗談交じりに笑ってみせた。
観客からもたくさんの質問を受けた二人。「決してあきらめないで作品を作る、仕事を続けるのに必要な原動力は?」という質問を受け、レフン監督は「全てを犠牲にしても良いと思えるくらいそれが好きであること。献身的に、それに執着できるくらい好きであるという強い気持ちが大切。」と物作りに対する熱い情熱を語った。
「エル・ファニングが今までで一番綺麗で一番怖い作品」と本作を語る小島氏は、「レフン監督天才なんで、何度も見て『君の名は』を越えていただきたい!」と激押し。レフン監督は「日本が大好きです。『ネオン・デーモン』を携えて東京に来られて良かったです。きてくれた皆さんに感謝します。」と観客へメッセージを送った。