source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
Thomas Schelling(IMDb)
トーマス・シェリング(wikipedia)
アメリカの経済・政治学者。専門はゲームの理論。『博士の異常な愛情』のコンサルティングを担当した。
キューブリックはシェリングの書いたピーター・ジョージの小説『赤い警報(破滅への二時間)』の紹介記事を読んで興味を持ち、映画化権を獲得したが、小説には大きな問題があった。原作小説が書かれた1958年頃は爆撃機が核攻撃の主な手段だったが、1960年代までには大陸間弾道ミサイルがそれに取って代わっていたからだ。 そのため、爆撃機を使ったもっともらしいシナリオを考え出すためにシェリング、キューブリック、ピーター・ジョージ、核の理論家ウィリアム・カウフマンらと協議することになった。「私達は核戦争の始め方をどうするか苦労した」「私達は(戦略)空軍で狂った誰かがいない限り、最終的には核戦争が起こるはずがないと考えた」。そうやってキューブリックとピーター・ジョージは小説を「ナイトメア・コメディ」に改変することを決めたそうだ。
また、映画に登場した「皆殺し装置」はシェリングのアイデアで、それは自身が最も興味を持っていたテーマ(戦略的コミットメント、誤ったコミュニケーション、意図せぬ結果)でもあった。
1921年4月14日カリフォルニア州オークランド出身、2016年12月13日死去、享年93歳。