2017年9月10日日曜日

【インスパイア】『時計じかけのオレンジ』に影響されたと思われる、小室孝太郎のSF漫画『アウターレック』

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック


outer-alec
海外のブログでも採り上げられてる

 画像検索で偶然見つけたのですが、こんな漫画があったんですね。画は思いっきり手塚治虫ですが、それもそのはず、小室氏は手塚のアシスタント出身だそうです。服装がアレックスなのは、手塚がキューブリックファンであったこと、その手塚が描いた『時計じかけのりんご』の影響などがが考えられますが、1973年といえば『時計…』が公開され、話題にもなっていた時期なので、「管理社会に対する叛逆」というプロットと共に、もろに影響されたのでしょう。

 (19)73年の作品「アウターレック」はコンピューターに管理された独裁社会とそれに反旗を翻す人々を描いた意欲作だったし人気もあった。それなのにこのアウターレック、尻切れトンボのような納得いかないラストで終ってしまった。連載回数もわずか21回。アウターレック終了後、小室孝太郎は漫画界から一時姿を消す。

(引用先:論考:「手塚治虫の後継者になれなかった男、小室孝太郎の悲劇」byオタッキー


 この小室孝太郎という漫画家、wikiによると「ジャンプ専属契約システムの犠牲者」としてマニアの間では有名な存在だそうです。この『アウターレック』突然の打ち切りの後、『つっぱりアナーキー王』が編集部の「SF漫画は2作もいらない」という判断のもとまたもや打ち切りにされ(残ったのが、かの有名な永井豪の『マジンガーZ』。ただし別説あり)、その後もさまざまな圧力により漫画を描かせてもらえなかったようです。代表作は『ワースト』で、単行本化もされているようですが、残念ながらこの『アウターレック』は単行本化されていません。ですので読むには古本屋で本誌を当たるしかないのですが、ネットで古い漫画を復刻させて広告収入を得る、というビジネスモデルが注目されていますし、何らかの形で陽の目を見て欲しいのもです。