2018年4月23日月曜日

【ブログ記事】スピルバーグは『レディ・プレイヤーワン』になぜ『シャイニング』を登場させたか?

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック




 現在公開中の『レディ・プレイヤーワン』にはさまざまな映画やゲーム、キャラクターなどのサブカルネタや1980年代ロックネタがぎっしり詰め込まれ、その中でもキューブリックの『シャイニング』は別格に扱われています。スピルバーグとキューブリックの関係は『A.I.』を例に出すまでもなく、今更言うまでもありませんが、なぜこの作品を選んだのかは不思議に思いました。というのもスピルバーグはインタビューで『シャイニング』について、「一度見たきりで、それで最初見たとき、『シャイニング』は好きではなかった」応えていたからです(その後25回見て好きになったとは言い添えていますが)。実は当初、このパートは『ブレードランナー』で行く予定だったのですが、ブレランは続編の制作が決定したいたので許可が下りず、次策として選ばれたのが『シャイニング』だったそうです(ソース:THE RIVER/2018年4月21日)。

 次策といえ、映画ではけっこうな時間を割いたシークエンスに『シャイニング』を選んだのにはスピルバーグの強い意志を感じます。昨今、クリストファー・ノーランやウェス・アンダーソン、リー・アンクリッチなどの新世代監督がキューブリックへのリスペクトを隠しもせず、露骨に表明することが続いています。そういった後輩監督たちに対して「元祖は俺だ!」「俺はキューブリックと一緒に仕事をしたことがある数少ない現役監督だ!」「お前たちは会ったことも、話をしたこともないのに出しゃばってくるんじゃない!」(笑)という意志です。偶然か必然か、本年2018年は『2001年宇宙の旅』が公開されて50周年の節目の年。この記念すべき年に「はっきりと」「明確に」キューブリックへのリスペクトを表明したのは、スピルバーグのそんな若い才能への「嫉妬心」「対抗心」があったせいなのかも知れませんね(いや、単なる想像ですけど。笑)。

 ちなみに2012年に管理人が書いたスピルバーグ紹介記事には「小難しい事は他の監督に任せて是非エンターテイメントに徹して欲しい。そうすれば間違いなく第一級の素晴らしい作品を撮ってくれるに違いない」と書きましたが、71歳にしてそれを実現させたスピルバーグ監督には、ここであらためて敬意を評したいと思います。

情報提供:okayu様