source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
〈前略〉
しかし今、我々は『2001年ピンク・フロイドの旅』を発掘しました。サイケデリック・ロックの先駆者であるピンク・フロイドの壮大な23分間の曲『エコーズ』と、キューブリックの雄大な映画の組み合わせです。ピンク・フロイドが『エコーズ』を、スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』の最後のシークエンスにシンクロさせたと長い間噂されてきました。「23分間の作品『エコーズ』をフィーチャーしたアルバム『おせっかい』を制作する2年前、ピンク・フロイドはフランス映画『モア』のサウンドトラックを制作し、そこで映像同期機器を使用しました」とある映画製作者は説明します。
〈以下略〉
(全文はリンク先へ:FAR OUT/2020年1月4日)
またこのネタですか・・・。という印象しかありませんが、もう随分と昔から話題になっている話です。2020年にもなってこの話を持ち出すのもうどうかと思うし、いい加減食傷気味です。当ブログでも2013年にこの記事で採り上げていますが、本音を言えば管理人は一度としてシンクロしていると感じたことはありません。むしろ「違和感だらけ」だと申し上げたいくらい。
その違和感とは何かといえば、そのにいるはずのない「ヒト」のヴォーカル(声)と、だらだらと延々続くC#mのブルージーなフレーズが、『2001年…』のスターゲート・シークエンスからラストまでの「超空間的な世界観」と相入れないからです。カットの変わり目と曲調の変化が合っていたり、歌詞がそれとなく映像を示唆しているように感じ取れる部分もありますが、偶然の範疇を出るものではないし、シーンの長さと曲の長さが合致している点も同様です。まあ、その「偶然のシンクロ具合」を面白がっている分にはいいのですが、そもそも論として「黒人の土着音楽であるブルースは違うだろう」「ブルース・インプロビゼーションはライブ感が命、『2001年…』は計算され尽くした美しさが命」では? この両者は相反するこそあれ、同調(シンクロ)するとはとても思えません。「ドナウ」と「回る宇宙ステーションやアリエス号月面着陸シークエンス」のシンクロ具合を「これでもか」見させられているのに、映画後半でのこのシンクロ程度に感動できる余地は個人的にはありません。
この『エコーズ』の発表は1971年ですので、フロイドのメンバーが「『2001年…』を観ながら録音したんだよ!」という逸話でもあれば面白いのですが、そうではありませんし、『2001年…』には他に語り継ぐべきことがたくさんあるのに、誰かが気づいた「単なる偶然」でしかないこのネタは、もうそろそろ忘れられてもいいんじゃないかと思っています。