2015年3月3日火曜日

【ブログ記事】『時計じかけのオレンジ』をより楽しく鑑賞するためのTips

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック






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 キネマ旬報DDによる『博士…』(池袋文芸坐のみ)『時計…』『バリー…』『フルメタル…』『アイズ…』上映がもう間近に迫って来ました。そこで「こんな小ネタを知っていればキューブリック作品をより楽しく鑑賞できますよ」という記事を投下したいと思います。今回は『時計じかけのオレンジ』編。尚、この記事はネタバレを含んでいて、過去に映画館や、BDやDVDで鑑賞済みの方に向けたものです。未見の方はまずは作品に集中し、この記事を読まないようにお願いいたします。



(1)オープニングのアレックスのアップからすぐ、アレックスがミルクプラスの入ったグラスを少し持ち上げるが、これはアレックスを演じたマルコムが「この映画へようこそ、まあくつろいで楽しんでくれ」という観客へのメッセージ。



(2)レイプ目的で押し入った作家夫婦の家の呼び鈴がベートーベンの『運命』



(3)コロバ・ミルクバーで第九を歌った歌手の左にいるハゲのおっさんは『シャイニング』の「盛会じゃね!」の幽霊を演じたノーマン・ゲイ



(4)コロバ・ミルクバーのヌードテーブルをデザインしたのは『2001年…』でスター・チャイルドの模型を製作したリズ・ムーア



(5)実はマルコムは蛇が大の苦手。蛇のバジルを掴むシーンを見るとなんとなくそれがわかる。



(6)レコードショップのシーンに『2001年…』のサントラが2箇所に。あとロックの名盤(ビートルズ、ザ・フー、ピンクフロイド、ニール・ヤングetc…)もたくさん映り込んでいる。



(7)レコードショップのシーンにはキューブリックの長女、カタリーナエキストラで出演



(8)キャットレディがアレックスに反撃する武器はベートーベンの胸像。アレックスが収監された監獄の部屋にもある(こちらは石膏製?)。



(9)アレックスが打たれる注射の薬品名は「血清 Exp./Serum No. 114」これは『博士…』の暗号封鎖回路「CRM-114」のもじり。



(10)瞼を固定する器具リドロックがずれ、マルコムは角膜を傷つけるケガをした。



(11)出所試験の舞台で乱暴されるシーンでマルコムは肋骨を折った。



(12)馬の水飲み場(?)の底にはエアポンプが備え付けてあったが、故障していたためマルコムは窒息しかけた。



(13)車椅子になった作家のヘルパー、ジュリアンを演じたデヴィッド・プラウズはダースベーダーの「中の人」。



(14)アレックスの自殺を報じた新聞の6枚目、デイリー・ミラー誌の本文に「Alex Burgess(アレックス+原作者のアンソニー・バージェス)」というお遊びがある。2枚目の右上にもBurgessの文字がある。



(15)アレックスを演じたマルコム・マクダウェルがハリウッドのパーティーで『雨に唄えば』のオリジナルを歌ったジーン・ケリーと面会したが、口も聞いてもらえなかった。