2015年7月2日木曜日

ストレイヤーズ・クロニクル

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


映画「ストレイヤーズ・クロニクル」 オリジナル・サウンドトラック
悲しい宿命を背負った異能力者たちの戦いを描くSFアクション「ストレイヤーズ・クロニクル」。まるでX-MENの劣化版。

1990年代の初めに極秘実験によって生まれた異能力者たちがいた。その実験とは、一方のグループには両親に強いストレスを与え子供に突然変異を促し、もう一方のグループには遺伝子操作によって子供に動物や昆虫の能力を持たせるというもの。やがて彼らは大人になるが、特殊能力ゆえに悲しい宿命を背負っていた。視力・聴力・筋力などを異常発達させられた昴とその仲間たちは、外務副大臣・渡瀬の命令で、やむを得ずさまざまな裏の仕事を遂行していたが、同じ異能力者である学が率いる暗殺者集団が現れ、激しく対立することになる…。

原作は本多孝好の同名小説。瀬々敬久監督とアクション映画の組み合わせが、まず違和感大だが、原作通りとはいえ、あまりにも“X-MEN”的な設定に苦笑いする。ご丁寧にチーム・アゲハのリーダーの学は車椅子に乗っているときたモンだ。それぞれの個性的な能力は、内輪の喧嘩で威力を発揮するレベルで迫力は皆無。若手中心のキャスティングは“ファースト・ジェネレーション”チックだが、無論、X-MEN的な壮大な展開は望めない。そもそも彼らを生みだした黒幕の、人類滅亡を切望する理由があまりに個人レベルすぎやしないか。若者たちの悲しい宿命とは、特殊能力を得たがゆえに若くして精神崩壊を起こす“破城”が運命付けられていること。この映画そのものが“破城”じゃないのか?!とつっこみたくなるのは、私だけではないと思うゾ。異能力のひとつである昆虫の特性をよりデフォルメすれば往年の少年マンガのような奇抜な面白さがうまれたかも。残念だ。
【20点】
(原題「ストレイヤーズ・クロニクル」)
(日本/瀬々敬久監督/岡田将生、染谷将太、成海璃子、他)
(残念度:★★★★★)
チケットぴあ

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