source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
(ショートバージョン)
精神科医のヘクターは、美人でしっかり者の恋人クララと、ロンドンで何ひとつ不自由なく、幸せに暮らしていた。だが毎日患者たちの悩みを聞いているうち、自分自身の人生に幸福を感じられなくなってしまう。“幸せとはいったい何なのか?”その答を探しに、ヘクターは中国やアフリカ、ロサンジェルスなど、世界中を旅することに。波瀾万丈の旅は、次第にヘクターの心を変化させていくが…。
満ち足りているはずなのにふと空しくなったイギリス男が世界を旅して幸せの意味を探る「しあわせはどこにある」では、サイモン・ペッグがタンタンに憧れる中年男をユーモラスに演じている。今回は珍しく社会的に地位があってリッチな役だが、心は大人になりきれていない半人前という、ペックがこれまで多く演じてきた、見慣れたキャラクターだ。物語は、幸福の意味を求めて世界を旅し、自分が享受していた人生のありがたさを知るという、手垢がついたもの。それでも、中年男の迷いを茶目っ気たっぷりに演じるのがサイモン・ペッグだと、なんとなく許せてしまう。原作は精神科医が書いたベストセラーだそう。何も世界中を旅しなくても答はみつかりそうなものだが、そこはリッチなお医者様なので幸せ探しと自分探しも壮大になる。行く先々で顔を出す俳優が、実に豪華キャストで驚いた。特に元恋人役のトニ・コレットは抜群にいい。どこか綺麗事のような中年男の成長物語だったが、後味はさわやかで悪くない。
満ち足りているはずなのにふと空しくなったイギリス男が世界を旅して幸せの意味を探る「しあわせはどこにある」では、サイモン・ペッグがタンタンに憧れる中年男をユーモラスに演じている。今回は珍しく社会的に地位があってリッチな役だが、心は大人になりきれていない半人前という、ペックがこれまで多く演じてきた、見慣れたキャラクターだ。物語は、幸福の意味を求めて世界を旅し、自分が享受していた人生のありがたさを知るという、手垢がついたもの。それでも、中年男の迷いを茶目っ気たっぷりに演じるのがサイモン・ペッグだと、なんとなく許せてしまう。原作は精神科医が書いたベストセラーだそう。何も世界中を旅しなくても答はみつかりそうなものだが、そこはリッチなお医者様なので幸せ探しと自分探しも壮大になる。行く先々で顔を出す俳優が、実に豪華キャストで驚いた。特に元恋人役のトニ・コレットは抜群にいい。どこか綺麗事のような中年男の成長物語だったが、後味はさわやかで悪くない。
【65点】
(原題「Hector & the Search for Happiness」)
(英・独・カナダ・南ア/ピーター・チェルソム監督/サイモン・ペッグ、ロザムンド・パイク、トニ・コレット、他)