2015年7月19日日曜日

HERO

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


HERO DVD-BOX (2014年7月放送)
HERO DVD-BOX (2014年7月放送) [DVD]
型破りな検事と仲間たちの活躍を描く大ヒットドラマの劇場版第2弾「HERO」。お約束の並木道で久利生と雨宮の気持ちが通じあうのかを確かめよう。

ネウストリア公国大使館付近の路上でパーティコンパニオンの女性が交通事故で死亡する。東京地検城西支部の久利生公平検事と事務官の麻木千佳が捜査にあたるが、かつて久利生の元で事務官を務め、現在は大阪地検難波支部で検事として活躍する雨宮舞子が現れ、被害者の女性は広域暴力団が絡んだ恐喝事件の重要な証人だったと告げる。久利生はネウストリア公国大使館が事件にからんでいると見て調べ始めるが、大使館は治外法権を盾に捜査の協力を拒否。やがて外務官僚・松葉からも圧力がかかり、捜査は暗礁に乗り上げるが…。

今回の劇場版第2弾は、続編だというのにタイトルは同じ。続や新もなければ副題もないというのは、異質だがちょっと潔い気がする。スーツを着ない型破りな検事・久利生公平は「事件に大小はない」がモットーで、捜査や情報集めも独自の価値観で動いていく。日本の法律が及ばない治外法権という大きな壁を前にしても、その姿勢は変わらない。このシリーズは、良くも悪くも“変わりばえしない”のが売りなのだ。久利生の“当たって砕けろ”的な捜査や、城西支部のメンバーたちのグダグダ感も相変わらずで、それはファンには懐かしさをもたらしてくれるのだろう。治外法権という大きな壁に阻まれたかにみえた事件は、久利生らの熱意によって、思いがけない突破口が開けるが、外交問題という大風呂敷を広げた割には、こじんまりとまとまっている。事件解決や国際的な陰謀などより、あくまでもサークルのようにユルく楽しい人間関係をベースにした物語こそ“HERO節”ということだ。正直、スペシャルドラマレベルのストーリーだが、これは贅沢なファンサービス。本作での久利生と雨宮の恋愛関係(?)も、いろんな意味でこのシリーズらしい。
【50点】
(原題「HERO」)
(日本/鈴木雅之監督/木村拓哉、北川景子、松たか子、他)
(懐かしさ度:★★★★☆)
チケットぴあ

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