2015年9月6日日曜日

アンフェア the end

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




美人で敏腕の女刑事が最後の闘いに挑む、人気シリーズの完結編「アンフェア the end」。結局、雪平夏見ってお人よしの可愛い女性なのかも。

刑事だった父の死の真相を探るうちに警察内部の闇と国家を動かす謎の権力組織の秘密データを入手した敏腕女刑事・雪平夏見は、最も効果的な方法で反撃に転じるタイミングを伺っていた。そんな時、ある転落死の現場で10年前に起きた事件の遺留品と同じしおりを見つける。転落死したのはネイルガン殺人事件の首謀者・村上克明検事であること、かつての事件をつなぐ「Xサイト」が復活していること、さらに村上殺しの首謀者とされているシステムエンジニアの津島からの懇願…。捜査を開始する雪平の前に、再び権力組織の闇がたちはだかる…。

人気テレビドラマから約10年、劇場版の3作目にして最終章の本作では、過去の事件の謎を回収するという大切な役割がある。中でも最大のものは、ヒロインの雪平がずっと追ってきた、父を殺した犯人が誰かという謎が明かされることだ。バツイチ、子持ち、大酒のみと、一見がさつにみえるヒロインは、実は誰よりも繊細な心の持ち主。クールなルックスで「誰も信じない」と口では言うが、誰よりも人を信じやすく、何度も騙されているお人よしだ。最も身近で愛すべき人物がいつも雪平を裏切るという構図は、シリーズを見てきたファンならばすでに気付いているだろう。本作でも、無謀な単独行動や娘のこととなると理性が吹っ飛ぶなど、雪平らしさが満載だ。物語の謎は明かせないが、死んだはずのかつての恋人・一条が再登場するのは、大きな意味が。終盤には、例によって裏切りの応酬から某国大使館でのバトルとなるが、これはいくらなんでもやりすぎで、リアリティに欠けている。それでも10年間続いた人気シリーズの幕引きとしては、まずまずの落としどころ。何よりヒロインを演じる篠原涼子の美しさが劣化せず、男社会で頑張る女性という立ち位置も含めて、多くのファンを獲得した作品の有終の美を飾っている。
【60点】
(原題「アンフェア the end」)
(日本/佐藤嗣麻子監督/篠原涼子、永山絢斗、阿部サダヲ、他)
(集大成度:★★★★☆)
チケットぴあ

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アンフェア the end@ぴあ映画生活