2015年10月5日月曜日

罪の余白

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


罪の余白 (角川文庫)
(ショートバージョン)
名門女子高に通う安藤加奈が、教室のベランダから転落して死亡する。男手ひとつで彼女を育てていた父で、大学で行動心理学を教える安藤聡は、娘の死が受け入れられず、死の真相を知ろうと加奈のクラスメイトたちに接触する。そんな聡の前に、美しい容姿を持ち他人の心を操って、スクールカーストの頂点に君臨する美少女・木場咲が現われる。加奈は咲からいじめにあっていたのだが、芸能界入りを目指す咲はそのことを隠ぺいしようと、聡にを罠を仕掛ける…。

周囲を支配し命を弄ぶ恐ろしい美少女と、娘を死に追いやられた父親の攻防を描く「罪の余白」は、第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞した芦沢央の小説が原作だ。だがこの作品、ストーリーになんともリアリティがない。学校内にスクールカーストやいじめが存在するのは納得だし、誰かに好かれたい、芸能界で活躍したいと願うティーンエイジャーの願望はあり得る話だ。だが映画の売りである、邪悪で頭がキレる美少女と行動心理学者の父親との攻防が、あまりにも物足りないのだ。そもそも父親・聡が行動心理学者だという設定がほとんど活きてない。仮にも心の専門家なら、もう少し作戦があっても良さそうなのに。ラストはなるほど心理を読む行動かもしれないが、むしろ賭けの部分が大きい。心理戦を期待すると肩すかしをくらうが、第13回全日本国民的美少女コンテストでグランプリに輝いた吉本実憂が、美しいルックスとは裏腹に他人を操る邪悪な少女を怪演。そのギャップを楽しめるのが一番の見どころだろうか。
【50点】
(原題「罪の余白」)
(日本/大塚祐吉監督/内野聖陽、吉本実憂、谷村美月、他)
(美少女度:★★★★★)
チケットぴあ

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罪の余白@ぴあ映画生活