2015年10月9日金曜日

ファンタスティック・フォー

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


Fantastic 4
天才的な才能を持つ発明オタクのリードは、相棒のベン、科学者の養女スーとその弟ジョニーと共に、人類の未来をかけた研究に参加する。研究の末に完成した物質転送装置で異次元空間プラネット・ゼロへのテレポートに挑むが、予期せぬ事故により彼らの体は衝撃的な変化を遂げ、超人的パワーを宿してしまう。一方、同じく事故に巻き込まれ、行方不明になっていたビクターは、4人を遥かに上回る想像を絶する能力を得ていた。秘密軍事基地に連れていかれ、大人たちの思惑によりバラバラになっていた4人だったが、ビクターの恐るべき策略を知り戦うことを決意する…。

マーベル最初のヒーロー・チームの誕生の瞬間を描く「ファンタスティック・フォー」は、2000年代のシリーズからキャストを若手に一新したリブート版だ。どこまでも明るく和気あいあいとした仲良しチームの印象だったが、本作はむしろ思いがけず手にした超能力に悩む青春ドラマの様相である。おかげで、単純明快だった前シリーズと違い、本作はヒーロー・アクション・ムービーとしては動きが乏しく、何とも地味な仕上がりになってしまった。キャストが地味なのもこれまた問題だが、クライマックスのバトルが地球外で行われるというところに、脚本の決定的なミスがある。「よそでやってる勝手な戦い」的な印象で、共感できないのだ。しかし、それだけで切り捨てるにはちょっと惜しい作品でもある。若者4人のキャラはしっかりその個性を描きわけているし、心と肉体の変化にとまどいながら成長するのは、青春映画のお約束。監督のジョシュ・トランクが手掛けた「クロニクル」でもとりあげた、超人的な能力と自分の役割に折り合いを付け、仲間と共に成長するドラマとして楽しみたい。
【50点】
(原題「FANTASTIC FOUR」)
(アメリカ/ジョシュ・トランク監督/マイケル・B・ジョーダン、マイルズ・テラー、ジェイミー・ベル、他)
(地味度:★★★★☆)
チケットぴあ

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ファンタスティック・フォー@ぴあ映画生活