2015年10月16日金曜日

ダイバージェントNEO

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


Insurgent Movie Tie-in Edition (Divergent Series)
最終戦争から100年後。人々が「勇敢」「無欲」「高潔」「平和」「博学」の5つの共同体に分類され、管理下に置かれた未来世界。いずれにも属さない異端者(ダイバージェント)であると診断されたトリスは、フォーと共に、逃亡生活を送っていた。異端者は秩序を脅かす危険分子とみなす宿敵ジャニーンから狙われながら、トリスは、両親が死守しようとしジェニーンに奪われたある箱の存在を知る。そこには、異端者とこの世界にまつわる重大な秘密が隠されていた…。

ベロニカ・ロスの大人気ヤング・アダルト小説を映画化したSFアクションの続編「ダイバージェントNEO」。ヒロインの少女トリスは、5分類のどれにも属さず、それでいてそのすべてを兼ね備えた異端者(ダイバージェント)で、彼女は愛する者たちを守るため苦難の道を突き進んでいる。ジェニーンが狙う箱に隠された秘密によってダイバージェントの謎が解き明かされるのだが、それは映画を見てのお楽しみだ。ヤング・アダルト小説が原作であること、分類され、管理された近未来を舞台にすること、サバイバルと逃亡、世界を救う少女の存在と、いろいろな点で「ハンガー・ゲーム」にそっくりなので比較されるのはやむをえない。おまけにヒロインを演じるのは、おばさん顔の若手実力派女優であることまで共通だ。しかし、本作のテーマは他作品に比べて、なかなか奥深い。理想社会を追求するがゆえに、倫理観や人間性が歪んでしまうことや、人間を分類し型にはめていくこと、その型にいつしか安住してしまうことなど、群衆心理をも睨んだストーリーは、現実社会にも通じるテーマだ。ナオミ・ワッツ扮する女性キャラの登場がやや唐突なのがちょっと気になるが、クライマックス、トリスが“意外な敵”と対決するシーンはスタイリッシュなアクションで、実にクール。シュミレーションのシーンも含めて、美術のセンスの良さが光った作品だ。
【70点】
(原題「INSURGENT」)、
(アメリカ/ロベルト・シュヴェンケ監督/シャイリーン・ウッドリー、テオ・ジェームズ、オクタヴィア・スペンサー、他)
(ヴィジュアルセンス度:★★★★★)
チケットぴあ

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