2015年2月6日金曜日

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評








インチキ美術商が盗まれた名画の謎に迫るアドベンチャー「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」。ヘンテコキャラはジョニデの十八番。



イギリス・オックスフォード。ちょびヒゲがトレードマークのインチキ美術商チャーリー・モルデカイは、何者かに盗まれたゴヤの幻の名画を見つけ出すように英国諜報機関MI5から依頼される。不死身の用心棒ジョックと共に、盗まれた名画の行方を追ってイギリス、ロシア、アメリカを飛び回るが、その名画には世界を揺るがす財宝の秘密が隠されていた。やがてそれはロシアンマフィアや国際テロリストを巻き込む大騒動へと発展する…。



原作はミステリー作家、キリル・ボンフィリオリの小説。うんちく好きのアートディーラー・モルデカイは、自称セレブ貴族だが実情は借金と税金に追われて無一文に近い。ゴヤの名画を追う冒険も、いわば借金のためだ。それが悲壮に感じられないのは、主人公のキテレツキャラのおかげである。白塗りの代わりのチョビ髭姿で、ジャック・スパロウとウィリー・ウォンカをミックスしたような可笑しなキャラを演じるジョニデは、実に楽しそうだ。しかし、彼の場合、過去作で繰り返し演じてきたキテレツなキャラの方がフツーに見えるので「あぁ、いつもの」と感じてしまうので困ったものだ。おかげでこの映画、主役のジョニデよりも脇役の方が光ってしまっている。モルデカイに何度もヒドい目にあいながら、それでも彼を守る用心棒(なぜかモテまくる!)役のポール・ベタニー、純情なMI5の刑事を演じるユアン・マクレガーなど、主役級の俳優たちがいい味を出していていて、個性を存分に発揮しているが、何と言っても知的な美人妻ジョアンナ役のグウィネス・パルトローがいい。髭嫌いだが夫をとことん愛し抜くジョアンナが謎を解き、すべてを収まるところに収めていく展開は、最もおいしい役どころなのだ。ゴヤの名画の秘密とその顛末は映画を見て確かめてもらうとして、全編に散りばめられたスパイ映画へのオマージュが嬉しかった。

【65点】

(原題「MORTDECAI」)

(アメリカ/デヴィッド・コープ監督/ジョニー・デップ、グウィネス・パルトロー、ユアン・マクレガー、他)

(ヘンキャラ度:★★★★☆)

チケットぴあ



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